事例で学ぶ、パブリッククラウド活用術(4) コストや運用工数を削減し、管理の一元化を実現 - エムアップ

「韓流☆通 online shop」をはじめ、多くのECサイトをニフティクラウドで運用していたが、案件ごとに独立した構成のサーバーを作成することが多く、構築の手間がかかるのはもちろん、サーバーが乱立することで、運用・管理の工数が増加していた。そこで、エンジニアリングパーツのRDBを利用した新しい環境に移行して、整理統合を実施した。RDBに統合したことで、サーバー台数を減らしてコストを削減できたのはもちろん、運用に関わる作業マニュアルを統一して管理の一元化を実現した。また、面倒なMySQLのDBサーバー構築はもちろん、自動バックアップ機能や指定時間へのリストア機能など、DBサーバー運用に関わる様々な機能がコントロールパネルからGUIの操作だけで簡単に行えるようになり、運用工数の削減に成功。加えて、自動でバックアップが作成可能になりシステム全体のデータの保全性・可用性を高めることができた。

「韓流☆通 online shop」運用基盤としてニフティクラウド＋エンジニアリングパーツを導入

島田　佳祐氏
株式会社エムアップ　クリエイティブ事業部　プログラマー

ニフティ：サイト「韓流☆通 online shop」ついて教えてください。

島田氏：「韓流☆通 online shop」は、韓流の俳優やアーティストの公式グッズを扱うECサイトです。俳優やアーティストの最新情報は公式サイトで入手していただきますが、公式グッズの購入に関しては「韓流☆通 online shop」が受け持つような役割分担になっています。

ニフティ：ニフティクラウド導入のきっかけについて教えてください。

島田氏：サイトの運用基盤については、「韓流☆通 online shop」の準備段階で、オンプレミスや海外ベンダーのクラウドサービスなども含め比較検討しました。オンプレミスには実機が存在するという安心感はありますが、トラブル時に現地に担当者が駆けつけるよりは、ネットワーク経由でリスタートをかけられるほうが効率的だと考え、クラウドを導入することにしました。最終的に海外ベンダーのクラウドサービスとの比較になりましたが、コントロールパネルが日本語で判りやすいことから、自分以外の担当者でも操作が可能なニフティクラウドを選択しました。

ニフティ：データベースの運用についてお聞かせください。

島田氏：データベースとして、ECサイトで良く利用されているオープンソースのMySQLを利用していました。最初は、「韓流☆通 online shop」以外のサイトも含め基本的には１つのサーバーに複数のECサイトを同居させていたのですが、アクセスが急増する可能性が高いサイトは、他のサイトに影響が及ばないように単独のサーバーを作成していました。しかし、多くの担当者は自分のサイトのアクセスを大きく見積もる傾向があるのか、結局は各サイト用にWEBサーバーとデータベースを単独で作成してしまうことが多く、サーバーが乱立することになりました。結果的に、各サイト担当者が独自に運用や監視を行うようになり、バックアップの取り方一つにしてもそれぞれ手順が異なるなどの弊害が出てきました。その頃、タイミングよくリリースされたニフティクラウドのエンジニアリングパーツに、RDBが提供されているのを知り、さっそく使ってみることにしました。

10数台のサーバーを30分ほどで移行完了。

ニフティ：従来の環境からの移行はスムーズに行えましたか？

島田氏：移行に際して、全文検索に関わるMySQLの設定ファイルを変更する必要がありましたが、コントロールパネルから比較的簡単に行えました。「韓流☆通 online shop」を含む10サイト程度をエンジニアリングパーツのRDBを使った環境に移行しましたが、30分程で終わりました。

ニフティ：従来のIaaS環境と比較してどのようなメリットがございましたか？

島田氏：単純なコスト比較では、IaaSの方が安いのですが、エンジニアリングパーツのRDBによって圧倒的に運用が楽になりました。とにかくバックアップの取りやすさ・保守性に優れており、導入によってデータの可用性がさらに向上したと感じています。指定時間へのリストアができるポイントインタイム・リカバリーやスナップショット・バックアップを自動で行う機能などがすべてコントロールパネルから操作できるため、自分が不在の場合でもインフラ周りに詳しくない担当者による一時対応が可能です。最終的に、複数の小さいサーバーを統合することができましたので、単純にコストが下がっただけでなく、サーバーの運用に関わる作業マニュアルを統一して、管理を一元化できたのも大きなメリットでした。

ニフティ：本日はありがとうございました。