プログラムで書くか? ツールを使うか?

システム開発の中で、帳票開発は最終工程になる場合が多いはずです。出力するためのデータが蓄積されなければ帳票を出力できないのは当然のことで、開発プロセスではどうしてもユーザーが実際に操作する入力画面の開発が先行されてしまいます。

しかし、帳票に対する要求も多様化してきています。グラフやバーコードなどのビジュアル要素、ビットマップイメージも同時に出力するといったことが要求されるケースも多いでしょう。

このように、データをテキストとして出力するだけでなく、いわゆる「見える化」を実現した上で帳票を出力するには、帳票の開発スタイルを、すべてコーディングする手法ではなく、ツールを使うことを考える必要があります。

帳票開発ツール導入のメリット

帳票開発ツール導入の最大のメリットは、圧倒的に開発工数を短縮できることです。例えば、同じデータソースから異なった種類の帳票を作成しなければならない場合、ツールを使えばレイアウト情報を修正するだけで作業が終了します。

また、帳票の品質を統一することが容易になります。帳票にありがちな、修正時のメンテナンス性の良さも忘れてはならない大きなメリットです。

コストと時間のトレードオフ

帳票開発ツール導入にあたって問題になるのはコストです。帳票開発ツールを使えば、開発にかかる工数を減らすことができます。しかし、システム開発の受注金額が少なければ、ツールの導入はできません。

帳票開発ツール導入にかかるコストとしては、開発環境を導入するコストと、運用時にかかるサーバプログラムのライセンスや、クライアント側のアプリケーションに配布する際のランタイムライセンスがあります。

また、ツールによっては細かなコンポーネントに分かれている場合があるので、開発に必要なツールがどれなのかを見極めて選定する必要があります。

導入コストは、開発しているシステムの規模やユーザー数によって変わります。実際に、帳票ツールが便利だとわかっていても、コストを考えると導入できないという話も多いようです。

コストについては、イニシャルコストだけではなく、将来的に発生する帳票のメンテナンス性(運用コスト)も考慮する必要があります。

帳票として必要とされるデータは、日々変化しています。そのため、帳票の変更や追加が発生すること、他システムでもツールの利用が可能かどうかなどを見越して、導入を考えるといいでしょう。

『出典:システム開発ジャーナル Vol.5(2008年7月発刊)
本稿は原稿執筆時点での内容に基づいているため、現在の状況とは異なる場合があります。ご了承ください。