こんにちは。写真家の桐島ナオです。この連載では猫を一眼デジタルカメラで撮影する際のコツや撮影時の設定、レンズ選びなどを含めてご紹介します。今回は「猫撮影における露出補正」のご紹介です。

「白猫は白く!黒猫は黒く!……結構難しい~!」

露出とはなんでしょう?

写真用語でよく見かける言葉「露出(ろしゅつ)」。

漢字からは何を示しているかとても分かりづらく、「露出」というボタンがあるからそれをどうにかすると写真が劇的に良くなる!と思っている方もいるようですが……。そもそも露出とは、写真撮影において光の状態をよく観察し、それをカメラに反映する数値そのものを意味します。

明るい場所に猫がいるのか、それとも暗い場所にいるのか、動くのが大好きな猫なのか、のんびり眠っている猫なのか……そういう被写体の情報も「露出」になります。

「キャットハウスに入ってる猫……可愛いらしく明るく撮りたい!」

露出補正とはなんでしょう?

撮影モードをマニュアルに設定して撮影している方は、露出計を見ながら撮影していると思います。その時露出計がプラスを示しているか、マイナスを示しているか。気にしていますよね。

「マニュアル撮影なんて難しい!」という方でも簡単に明るさの調整が出来る機能があります。それが「露出補正」です。

基本的にどのカメラにもこの機能はついていますが、メニューの中にあったりボタンとして分かりづらい事もあるので、お手持ちのカメラで探せない時は説明書などを見るとよいですね。

「露出補正ボタンもしくはメニューから呼び出してください」

「オート露出では暗くなってしまいがちな逆光写真……」

「露出補正でこんなに変わります!」

露出補正はプラスにすると写真が明るくなり、マイナスにすると写真が暗くなります。ふんわり明るい雰囲気にしたい時は露出補正をプラスに。毛並みや質感をしっかり出したい時は露出補正をマイナスに。

オートでは表現出来なかった明るさの調整のお手伝いをしてくれる機能、それが露出補正です!

ただ、一度設定するとずーっとその補正の明るさで写真を撮りますので、被写体やシーンによって変える事を忘れないように注意してくださいね。

「露出補正なし。白猫をカメラは「眩しい!」と感じ、暗めに撮ってしまいます」

「プラスの露出補正あり。白を白く撮るには明るく補正をしましょう!」

「露出補正なし。黒猫をカメラは「暗い!」と感じ、明るめに撮ってしまいます」

「マイナスの露出補正あり。黒を黒く撮るには暗く補正をしましょう!」

ふんわり明るい写真を撮ってみましょう

雑誌でみかけたあの、ふんわり写真。オートではなかなか撮れません。露出補正を使ってふんわり撮ってみましょう!ちなみに、オートのまま撮った写真はこちら。

「見たままには近いけれど……もう少し白い毛のふんわり感が欲しい!」

ここで、露出補正をプラスにしてみます。

「メーカーによってプラスマイナスが逆の場合もありますのでよく見てくださいね」

よりふんわり感が引き立ちとても可愛いらしい雰囲気になりました!なお、先の連載で紹介した背景がぼかせるレンズで撮影すると、よりふんわり感がアップしますよ。

「真っ白な部分の毛もハッキリとして、明るい雰囲気になりました!」

優しそうな雰囲気と暖かな日差しが感じられますね。

しっとりカッコイイ写真を撮ってみよう!

猫は可愛い雰囲気だけはなく、クールでカッコイイ表情も魅力ですね。その魅力を伝える為に、露出補正をマイナスにしてみましょう。特に大人の猫のどっしりした感じ、ダンディな感じを表現してみます。まずは、オートのまま撮った写真です。

「暗い場所で撮影したので明るめに撮影されてしまいました」

「今度は露出補正をマイナス側へ設定します」

色彩が濃くなり、陰影がしっかりついて影のあるダンディ猫になりましたね!お部屋の暗くて暖かな雰囲気もしっかり描写出来ています。

「夜の灯りでくつろいでいるような雰囲気です!(実際には昼間の室内です)」

「窓辺の猫=逆光写真にも負けない露出補正」

「明るい場所での白猫の白飛び防止にも露出補正」

いかがでしょうか。簡単に写真の明るさを調整出来る露出補正ですが、猫や状況やイベージに合わせた露出を作り出す事が出来ます。

明るさを自由に設定することが出来る露出補正。マニュアル撮影ではない方は是非チャレンジしてみてください!

(写真は全て東京キャットガーディアンにて撮影いたしました)

次回予告

次回は猫撮影におけるホワイトバランスの設定紹介です。

著者プロフィール

桐島ナオ
写真と詩を組み合わせた物語写真を中心に発表している写真家。植物と猫とカフェが大好き。PhotoCafe写真教室の講師もしています。公式HPはこちらから。

*桐島ナオ主催の保護猫カフェ月イチ撮影会 ネコサツ!*はこちらから。