育児に励む専業主婦のpinkyさんが、家庭内介護について知ってほしいことや介護・育児にまつわる豆知識などを紹介する4コマ漫画連載「ときどき介護のち育児へ」。今回はやかんに関するお話です。

やかんの存在は忘れませんでした

介護をしていた認知症のウメおばあちゃんは、やかんで沸かしたお湯をポットへ入れることを日課としていました。ただ、やかんをかけっぱなしで庭に出てしまうときがしばしばあったため、危険と判断して元栓を閉めるようにしました。

ガスの元栓を閉めたので、「なぜ火が点かないのか」とおばあちゃんは疑問に思っていたようです。特に初めの頃は、やかんを台所に置いたままにしていたこともあり、余計に「お湯を沸かす」という行為を思い出してしまっているようにも見えました。

しかし、やかんを見えない場所へ移動させても、おばあちゃんはやかんでお湯を沸かすことを忘れませんでした。そこで、おばあちゃんが「お湯を沸かさなきゃ」と言う度に、既にお湯は沸かしてポットに入れてあることを伝えました。

おばあちゃんは説明すると分かってくれ、「沸かしてくれたんだね、ありがとう」と、納得してくれました。認知症になっても素直に話を聞いてくれたので、当時の私はとても助かりました。今でも感謝しています。


筆者プロフィール: pinky

現在は育児に奮闘する専業主婦。結婚を機に夫の自宅で同居生活を開始した。介護の仕事をしていたが、仕事を辞めて2013年8月より約2年間、夫の祖母の介護を務めあげた後、2016年2月に出産。日々の生活をつづったブログ「家事ときどき介護」を随時更新中。