名古屋を中心に活躍する、エンタテイメント男性集団「BOYS AND MEN」略して「ボイメン」。東海エリア出身、在住の男性たちで結成され、東海のローカル局すべてにレギュラーを持つだけでなく、タイ、インドネシア、シンガポール、ミャンマーで番組を持つなど、活躍は著しい。地方創生が叫ばれる今、地方発のエンタテイメントがここまで大きくなった理由について、フォーチュンエンターテイメント 代表 谷口誠治さんに話を伺った。

フォーチュンエンターテイメント 代表 谷口誠治

男性版の宝塚を名古屋から

――谷口さんは、学生時代には、ローラースケートでご自身もステージに立たれていたんですよね。

学生時代、ローラースケートブームがあったんです。その時、知り合いにスケート場を作りたいという人がいて、そのアドバイスをしたら、たまたま当たりました(笑)。それを機に4か所のスケート場をプロデュースしましたが、両親ともに公務員だったので、自分も一度公務員として就職しました。しかし、やっぱり好きなことをしたいと思い辞めました。世界に通用する人間になりたい! そう思って、ミュージカル"スターライトエクスプレス"の世界ツアーのオーディションに参加したら、合格。出演したことで夢は叶ってしまったので、今度はミュージカルを作りたい! と思い、プロデューサーを経て芸能プロダクションを作りました。

――谷口さんは、出身は関西で、その後のプロダクションの仕事は東京でされていたそうですが、名古屋でタレントプロデュースをしようと思ったのは、どういう経緯があったんですか?

2009年に初めて名古屋に行く機会がありまして。それまでは東京、大阪で仕事をしていたのですが、初めて訪れた名古屋は人口も多いし、三大都市だし、自分の芸能プロダクションで何かできるんじゃないかと思いました。それで行動を起こし始めたのですが、当時は名古屋のメディアに知り合いはいなくて、最初は相手にしてもらえませんでしたね。その後、徐々に話を聞いてもらえるようになって、名古屋で活動するタレントさんが活躍する番組や、名古屋色を出した番組はないの? と聞いたら、ラジオにはあるけれど、テレビではあまりないと聞いて、それならうちで作ろうじゃないかと思ったんです。

――それで、NAGOYA DREAM PROJECTが始まったわけですね。

若者たちの夢を形にしよう、名古屋で活躍したら東京に行くというのではなく、名古屋で活動してタレントとして飯が食えるようなプロジェクトにしようと思いました。プロとしてやっていくためには、発表の場がないといけない、それにはテレビ番組と常設の劇場だと思いました。それで、男性版の宝塚を作ろうと思ったんです。

――なぜ、男性版の宝塚にしようと思ったんですか?

やっぱり、誰もやってないことに惹かれるからですね。東京にも大阪にも、男性タレントというのは存在します。東京はアイドルや俳優で、大阪はお笑いが多いですよね。でも、名古屋には存在しないので、何もないところに自分のイメージを描いて、実現することができる。

そこでイメージしたのが宝塚だったのですが、これは僕が通っていた大学が宝塚にあって、昔から好きでよく見ていたことが大きいです。兵庫県の宝塚市という、中心部から離れた場所へ、舞台を見るために全国からファンが集まってくるのはすごいことです。名古屋でも宝塚のように、場所が関係なく人が集まるエンタテイメントをつくれるのではないかと思いました。

BOYS AND MEN

――メンバーを選ぶ時の基準はあったのでしょうか?

やっぱり、東京や大阪とは違うキャラクターのタレントを育てたいと思っています。それにボイメンは、まっすぐに夢を語る、そして夢を見られるグループだから、純粋じゃないとやれない。だから、一生懸命で真面目で夢を持っているかは選考の基準としてありますね。

売れたら錯覚するような人に育てるつもりはないですし、今後の名古屋のタレントの見本になってほしいと思っています。よく、プロデューサーがひとりでタレントを選ぶとタイプが似てくるといわれるんですけど、うちの場合は見た目もキャラもばらばらです。それは、最初に舞台を作るときに、物語のキャラに合わせて選んだためですし、「何かひとつ取り柄がある子」を選んだためかもしれません。メンバーにはいつも、何かで一番になりなさい、自信を持ってやりなさいと言っています。

※次回は1月22日(金)掲載の予定です


西森路代
ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トークラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。