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年末年始は「実家に帰省してもやることがないから…」と、ついつい家庭用ゲーム機で遊んでしまうことも多いのではないだろうか。だが、連続して長時間遊ぶ場合は要注意。海外からは、ゲーム機で長時間遊んだことで命に危険が及んだ例が報告されている。

長時間のゲームは血栓を引き起こす

海外の様々な論文を紹介する「live science」にこのほど、「Gamer's Thrombosis:How Playing Too Long Could Be Deadly」と題するコラムが掲載された。長時間のビデオゲームと深部静脈血栓症(DVT)発症リスクの関係を紹介している。

DVTとは、体の深部にある静脈に血栓ができる病気で、死亡の危険も伴う肺塞栓症の主な原因となる。この2つを総称した「静脈血栓塞栓症」は「エコノミークラス症候群」とも呼ばれている。オハイオ州立大学のドクター・Michael Goさんによれば、DVTは長時間にわたり体が固定されている状況、例えば長時間の運転やフライト、長期間の安静を要する手術後などで起こるという。

週に約50時間プレーすると危険

これまでにもビデオゲームでDVTを発症させた事例が報告されている。31歳の男性が休暇中にベッドの上で8時間ほどビデオゲームをしていたところ、2日目に左足の痛みと腫れを感じたが、それを無視してさらに2日以上もゲームをしていたという。その結果、極度の痛みと腫れのために病院に搬送され、血栓を溶かす薬を処方されたという。

Michaelさんは「ビデオゲームの長時間にわたるプレーと長時間のフライトは、DVTリスクの観点から見れば同じです。長時間、ゲームをプレーしていれば、血栓のリスクは高まります」と話している。死に至ったケースも報告されており、イギリスではオンラインゲームで1日に12時間も遊んでいた20歳のゲームプレイヤーが、死亡したという事例が2011年に起こっている。

Michaelさんは「ビデオゲーム人口が増えるに連れて似たようなケースは増えてくるだろう」と話しているそうで、平均して週に48.5時間以上のゲームをしている人はDVTのリスクが高まる可能性があると指摘されている。

スマートフォンによるソーシャルゲームが何かと話題になる昨今だが、自宅ではプレイステーションやXboxなどに興じる人もまだまだ多いはずだ。「正月の特別番組に飽きてしまったから」などとプレーする場合は、くれぐれも適度な休憩や足の運動を間に挟んでほしい。