画像はイメージです

結婚をして次代を生きる子供を育てることは、我々人間の社会的役割の一つともいえる。子育てには相応の責任が伴う。そのため、何歳で親になればいいのかという疑問に対する"回答"は、時代や文化によって異なってくるが、このほどアメリカで発表された世論調査では、そのひとつの目安が明らかになった。

アメリカの大手世論調査会社・GALLUP社が公表

様々な世論調査を行っているアメリカのGALLUP社はこのほど、「子供をもつこと」に関する調査結果を公表した。調査はアメリカ国民5,100人を対象に行われた。以下、その内容を簡単に紹介する。

約6割が女性は25歳以下、男性は26歳以上での第1子が理想と回答

第1子を持つときの理想的な年齢に関しては、男女ともに大半が「女性は25歳までに第1子を持つべき」という意見に同意した。対象年齢が30歳以上と回答したのは、男性13%、女性17%という低い数字にとどまっている。

一方で男性が第1子を持つ際の理想的な年齢は、58%の女性が「26歳以上」と回答している。当の男性はというと、「25歳以下」と回答した割合が48%、「26歳以上」と回答した割合が45%と意見が割れている。データをまとめると、平均的な理想年齢は男性27歳、女性25歳と認知されていることが明らかになったという。

教育レベルや年代によって、第1子を望む年齢に差が

教育格差や年代による考え方の差も出た。大学以上の高等教育を受けているアメリカ人は、そうでないアメリカ人に比べ、女性は26歳以降に最初の子供を持つべきと考えている傾向が強い。また、25歳までに第1子を持つべきだと回答した割合が、65歳以上のグループでは72%だったのに対し、30~49歳のグループでは49%と、年代によってもかなり考え方が異なることも明らかになっている。

画像はイメージです

専門家は20歳前後での妊娠を推奨するが……

GALLUP社は報告書の中で「複数の医療専門家は、健康的な子供が生まれる可能性の観点から、10代後半から20代前半で子供を持つことが理想と話している」とまとめている。ただ、それはあくまで生物学的な観点からであり、近年の女性の大学進学率の高さやキャリア志向といった時代の動向を鑑みると、実際は難しいのではないだろうか。

翻って我が国はどうであろうか。厚労省から発表されている「平成25年版厚生労働白書-若者の意識を探る-」によると、2012年の男性の平均初婚年齢は30.8歳、女性は29.2歳。さらに、第1子出生時の女性の平均年齢は30.3歳となっている。

数字だけを見ると、医療専門家の意見と日本女性の第1子出生時の年齢には約10歳ほどの開きがある。だが、子供をいつ産むのか(あるいは持つのか)という問題は、極めて個人的な問題である。タイミングや環境が整うのは人によって異なるのが当然であり、そして何より、初めての我が子を持ったときの喜びに、年齢は関係ないはずだ。