お母さんの不安

離乳食はいつから始めればいい? 開始時期を遅らせた方が、アレルギーを起こしにくいって本当!?

田村先生の回答

離乳食、遅く始めたらアレルギーを起こしにくいって本当?

離乳食の開始時期については、2007年に厚生労働省が策定した新ガイドライン「授乳・離乳の支援ガイド」によると、「生後5~6カ月頃」が適当とされています。そのため現在は、自治体の保健所や健診などでも、生後5~6カ月頃に離乳食を開始するようにと指導が行われています。旧ガイドラインでは、「生後5カ月頃」が適当とされていたので、周囲から新旧いろいろな情報を耳にして、ママはちょっと混乱してしまうかもしれませんね。

「生後5~6カ月頃」に離乳食を開始することが勧められている大きな理由は、この頃になると、母乳やミルクだけでは、鉄分、カルシウム、ビタミンなどの赤ちゃんに必要な栄養素をとれなくなってくるからです。またこの頃、スプーンなどを口に入れると舌で押し出してしまう反射(哺乳反射)がなくなることも理由の1つです。食べ物に興味を示すか、よだれが出ているかなど、赤ちゃんの様子を見ながら、生後5カ月から遅くとも生後6カ月の間には開始しましょう。

「離乳食の開始時期が遅い方が、アレルギーを起こしにくい」といううわさもありますが、実は離乳食の開始を遅らせても、アレルギーの発症を抑えられるわけではないことが分かってきています。極端に離乳食の開始を遅らせることは、赤ちゃんの成長や発達にとって、決して良いことではありません。アレルギーが心配な場合は、ママやパパだけの判断で離乳食を遅らせたり除去食を与えたりせず、専門の医師に相談しましょう。

回答者プロフィール

田村幸子(ゆきこ)先生

小児科学会専門医、医学博士。
1992年群馬大学医学部卒業。東京大学病院分院小児科、都立府中病院(現都立小児総合医療センター)、国立感染症研究所などを経て、現在、東京都練馬区の田村内科小児科医院で小児科を担当。二児の母。