赤ちゃんを育てていると誰しもが感じるちょっとした疑問や不安。育児書を見てもきちんとした解答が書かれていなくて、ネット上の口コミ情報では不安だし……という新米ママも多いことだろう。ここでは、そんなアナタの疑問や不安を小児科医の田村幸子先生が解決していく。

お母さんの不安

公共交通機関を使っての長距離移動、子供が泣いたり騒いだりして周囲に迷惑をかけないか心配です。

田村先生の回答は……

帰省や旅行時の移動、赤ちゃんが泣かないか心配というママは多い

子供が親の言うことを理解する年齢になれば、公共機関では騒がないようしつけをすることも大切だと思います。ただ、赤ちゃん時代はそういうわけにもいきませんね。赤ちゃんは泣くもの。でもやはり親として、周囲への配慮は必要です。

移動中が楽しい時間になるように、赤ちゃんが好きなおもちゃや絵本を持って行く、ちょうどお昼寝タイムになるように時間を調整するなどの工夫をしてみてはいかがでしょう。 列車の場合、ぐずったときは抱っこしながらデッキに出て、立ってあやしてあげると落ち着きやすいものです。飛行機の場合は席を立てないこともありますが、あらかじめ周囲の人に、「子供がうるさくしたらすみません」と声をかけておくと、泣き声を気にする方がいても、印象はずいぶん違ってくるはずです。

できれば親の分だけでなく、子供の座席もちゃんととっておくのもおすすめ。スペースに余裕があると赤ちゃんもお昼寝しやすいですし、ママやパパが食事をとりたいときにもラクです。

「泣く子供には睡眠薬を使ったらどうか」という意見も耳にしますが、この方法は、医師の立場からは賛成できません。なぜなら、薬は病気の人に使うものだからです。特に睡眠に問題のない健康な乳幼児に、副作用のリスクにさらしてまで睡眠薬を飲ませることは控えるべきだと考えます。睡眠薬を使うと「眠いのに眠れない」という寝ぐずりの興奮状態になってしまって、かえって大変になってしまうこともあります。乗り物に乗る前にはお昼寝をしないようにし、十分体を動かして遊んでおくと、乗り物では寝てくれることも多いのではないでしょうか。

回答者プロフィール

田村幸子(ゆきこ)先生

小児科学会専門医、医学博士。
1992年群馬大学医学部卒業。東京大学病院分院小児科、都立府中病院(現都立小児総合医療センター)、国立感染症研究所などを経て、現在、東京都練馬区の田村内科小児科医院で小児科を担当。二児の母。