2016年5月26日と27日、主要7か国の首脳等が三重県 伊勢志摩に集まり、第42回主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」が開催されました。 開催に際し、三重県では県民と関係機関、団体、市町や県が一丸となり、「オール三重」でサミットの開催に向けて取り組み、無事成功を収めています。

この成功を支えた1つの要因である「安全で正確な情報発信」を保つべく、伊勢志摩サミット三重県民会議では、Microsoft Azure上に新たなWebシステムを構築。 そこで伊勢志摩サミット三重県民会議のWebサイトを運用することで、平常時を大幅に上回るアクセスとサイバー攻撃がある中でも「安全で正確な情報発信」を実現。三重県の知名度と信用力の向上につながっています。

三重県は今後、サミットの開催によってもたらされた資産(レガシー)を最大限に活かし、ポストサミットの取り組みを実践していくことで、いっそうの進化を遂げていきます。

伊勢志摩サミットにおける各国首脳等の集合写真

プロファイル

日本のほぼ中央の太平洋側に位置する三重県は、中京や関西圏ともほど近く、人口10 万人を超える都市機能を備えた市を多く抱えています。日本人の代表的な心の「ふるさと」とされる伊勢神宮など、日本の精神性、豊かな伝統・文化 を擁する三重県ですが、それと同時に、鈴鹿サーキットや国産初となるジェット旅客機「MRJ」、NAND 型フラッシュ メモリの生産拠点が集積するなど、世界に誇る"イノベーション"も多く生み出しています。こうした「伝統と革新」、「静と動」、「自然と経済成長」という相反するものが共存し進化を続けている三重県では、2016年5月26日と27日に第42回主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」が開催されました。そこで得たレガシーをもって、三重県は今後、いっそうの進化を遂げていきます。

導入の背景とねらい
求められたのは、伊勢志摩サミットの成功へ向けた「安全で正確な情報発信」

三重県知事 鈴木 英敬氏

日本のほぼ中央に位置し、伊勢神宮や海女文化に代表される日本の精神性、豊かな伝統、文化を擁する三重県。人口10万人を超える都市機能を備えた市も多く、国産初となるジェット旅客機「MRJ」や NAND型フラッシュ メモリの生産拠点が集積するなど、世界に誇る"イノベーション"も多く生み出しており、「伝統と革新」、「静と動」、「自然と経済成長」が共存している地域だといえます。

「自然と経済成長」など、相反するものが共存し進化を続ける三重県で、2016年5月26日と27日、第42回主要国首脳会議、「伊勢志摩サミット」が開催されました。この開催にあたり三重県は、県民と関係機関、団体、市町や県が一丸となり、「オール三重」でサミットの開催に向けてさまざまな取り組みを実施。その結果、サミットの成功だけでなく、国際観光地としてのレベルアップや知名度などの向上、地域の総合力向上にも結びついています。

三重県知事 鈴木 英敬氏は、伊勢志摩サミットを経て感じた手ごたえについて、次のように語ります。

「伊勢志摩サミットは間違いなく大成功であり、国内外からも高く評価されるものでした。これはひとえに、『おもてなし大作戦』と称した取り組みや、多数の方に活躍いただいた『外国語案内ボランティア』、数多くの協賛、応援、寄附を受けるなど、オール三重として進め、多くの県民の皆さんのご協力があったからこその結果です。また、サミットを安全に開催するという点については、全国の警察関係者が過去最大規模の23,000人体制で警備に臨むことで、逮捕者ゼロという結果を得ることができ、日本の警察力を世界に示せたことも大きな成果といえるでしょう」(鈴木氏)。

「サミットを安全に開催する」という点においては、警察などにおける警備のみに留まりません。たとえば、伊勢志摩サミット三重県民会議(以下、県民会議)が運営する、警備に関する情報や三重の魅力などの発信を担ったWebサイトについては、アクセスとサイバー攻撃の急増を想定した対策を実施。これにより、混乱を招くことなく、安全で正確な情報発信を行うことができたといいます。

「実際に、多くの県民からは『感動した』『涙が止まらない』『成功は日本と三重県民の誇り』『これから〇〇(マルマル)に挑戦したい』といった、サミットを契機とした意欲を語る言葉が多数寄せられています。このように大成功を収めた伊勢志摩サミットですが、その要因の1つには、情報発信を過不足なく継続できたことが挙げられます」(鈴木氏)。 鈴木氏がこう語るとおり、県民会議のWebサイトの安定稼動は、全世界が注目する国際会議を滞りなく運営するうえで、非常に重要な意味を持ちます。Webサイト上では「(地元住民向けの)交通規制に関する情報」「サミットに関する情報」などが発信されており、どれか1つでも不具合があった場合、サミットの安定運営へ悪影響を及ぼしかねないのです。

これらの情報発信の過程で問題が発生した場合、どのようなリスクが起こり得るのでしょうか。鈴木氏は、次のように説明します。

「伊勢志摩サミットは世界的に注目される国際会議であり、そこではWebサイトへのアクセスやサイバー攻撃の増加が想定されました。もしWebサイトが閲覧できなくなったりページ改ざんなどが行われたりした場合、地元住民の方々や国内外報道関係者に多大なご不便と混乱をもたらし、ひいては三重県の信用を失う事態にもなりかねません」(鈴木氏)。

三重県ではこうしたリスクに備えるべく、2008年7月に開催された北海道洞爺湖サミットの事例から、アクセスとサイバー攻撃の増加量を推測。そこから、県民会議のWebサイト専用に新たなサーバーを構築し、同サイトを独立したシステムとして運用する計画を立案します。さらに、アクセスやサイバー攻撃の急増にサーバー側と運用管理側が対応できるよう、サーバーリソースと人的リソースの双方をスケールアウトできるしくみについても検討しました。

サーバー リソースと人的リソースの双方をスケール アウトすることで、県民会議の Web サイトの安定稼動と、万が一の事態におけるリスク分散を構想した

システム概要と導入の経緯、構築
Azureが備えるグローバル規模の拡張性と高いセキュリティレベルが、伊勢志摩サミットの情報発信を支える

株式会社FIXER 代表取締役社長 松岡 清一氏

三重県の公式サイト、県庁内システムとは独立したシステムとして県民会議のWebサイトを運用することにより、万が一の場合でも、三重県の公式サイト全体への被害や、そこからの県庁内システムへの侵入といったリスクが回避できます。このしくみの構築は、クラウド専業のシステム インテグレートを手掛ける株式会社FIXER(以下、FIXER)が、県民会議へ協賛する形式で進められました。

FIXERは、三重県が実施する「本社機能移転促進補助金事業」を適用した第1号として、2015年11月に本社機能の一部を三重県へ移転した企業です。株式会社FIXER 代表取締役社長 松岡 清一氏は、協賛という形式で同取り組みに参加した理由について、次のように説明します。

「クラウドを活用すれば、アクセス量に応じサーバーリソースを自動調整するしくみが構築できます。しかし、万が一の事態における緊急対応性を考慮した場合、サーバーリソースだけでなく人的リソースも拡張が必要でした。当社としては、Microsoft Azureを採用した数多くのシステム構築、運用実績を有する強みを活かすことで、三重県が誇る伊勢志摩サミットをIT面とHR面でサポートしたいと考え、協賛を申し出たのです」(松岡氏)。

FIXER が計画したシステム構成は、Azure Cloud Servicesでプロキシサーバーを、Azure App ServiceでWeb サーバーを構築し、その双方にオート スケール機能を備えるというものでした。Azure上に構築されたWebシステムではアクセス数に応じて自動的にリソースが増減されるため、最適なインスタンスで運用が可能です。さらに、このしくみを世界中にあるAzureのリージョンで展開し、アクセスをリージョンごとに振り分けることによって、最適な処理が実現できます。また、セキュリティ対策についてもクラウドの利点を活かし、会期が近づくにつれて段階的な強化を図ることを計画しました。

松岡氏は、ここで説明した構成をとるうえでのAzureの強みについて、グローバル対応と強固なパートナー連携の2点を挙げます。

「世界各国からアクセス、サイバー攻撃が急増することが想定されます。プラットフォームには、グローバル規模の拡張性とセキュリティ レベルを担保できることが求められました。そのため、全世界にデータセンターを有し、なおかつ高いセキュリティ レベルを誇るAzureはベストな選択肢だったのです。また、Azureだけでもセキュアですが、万全を期するのであれば多層防御を備えるべきです。Azureは多くのITベンダーとのパートナーシップを敷いており、ベンダー製品を組み込むことで部分的なセキュリティ強化も可能です。たとえば今回、万が一の場合でも脅威を早期発見できるよう、運用開始当初からトレンド マイクロの『Deep Security』をプロキシ サーバーに実装しました。さらにアクセスや脅威の急増が推測される5月からは、アカマイ・テクノロジーズ合同会社(以下、アカマイ・テクノロジーズ)が提供する常時稼働型DDoS対策ソリューション『Kona DDoS Defender』を実装することで、一時的な強化を行っています。このように、リソースだけでなくセキュリティ対策の部分的拡張が行える点は、Azureの大きな強みといえるでしょう」(松岡氏)。

アカマイ・テクノロジーズ合同会社 パートナー営業本部 フィールドチャネルマネージャー 永田 隼斗氏

続けて、アカマイ・テクノロジーズ合同会社 パートナー営業本部 フィールドチャネルマネージャー 永田 隼斗氏は、サミット開催の5月に実装されたKona DDoS Defenderの特徴と強みについて、次のように説明します。

「Kona DDoS Defenderは、世界中で稼動する20万台以上の当社サーバーを使うことで、攻撃者に一番近い物理環境でDDoS対策を行うサービスです。SOCによる24時間監視も実施しており、非常に高いレベルでのDDoS対策が可能になります」(永田氏)。

三重県はFIXERが計画したこの構成を評価し、2015年12月、同社の協賛提案を受け入れることを決定。Webサイトの構築から運用、ページ更新といったすべてのアクセスルートは、三重県のサーバーを経由しない方式をとっています。運用フローについても、FIXER内の限られた担当者のみが専用デバイスから作業を行う体制を敷くことで、きわめてセキュアな環境上で作業が進められました。

伊勢志摩サミット三重県民会議Webサイトのシステム

導入の効果
各領域における最先端のグローバルベンダーが密に連携し、「安全で正確な情報発信」を実現

県民会議のWebサイトは、開催を3か月後に控えた2016年2月17日より、Azure上での稼動に切り替わりました。鈴木氏は、この取り組みによって安全で正確な情報発信を継続できたことが、三重県の信用向上にもつながったと、笑顔で語ります。

「(Azureへ切り替えた後の)県民会議のWebサイトに対するアクセスは平常時の数倍あり、会期直前の5月はおよそ10倍にも膨れ上がりました。また、三重県へ届く電子メールの数も平常時のおよそ6倍に達しました。その中には業務以外のメールも多く含まれていると推測され、いかにサイバー攻撃が増大したかが現れています。こうした状況下でも、サミットの成功要因の1つである『情報発信』の根幹を守り、ページ改ざんといった事態の発生を防げたことは、三重県の知名度と信用力の向上につながったといえるでしょう」(鈴木氏)。

鈴木氏が評価する「安全で正確な情報発信」が継続できた裏側には、マイクロソフトと FIXER、アカマイ・テクノロジーズの3社による密な連携がありました。松岡氏と永田氏は、3社間で進められた連携について、次のように説明します。

「地方公共団体として、単独でグローバル規模のセキュリティ対策を実践し、なおかつそれが成功を収めたケースは、おそらく今回が初めてだと思います。また、クラウド市場をリードするマイクロソフトと、ネットワーク技術に長けたアカマイ・テクノロジーズという、各領域における最先端のグローバルベンダーが密に連携したことも、そこへ大きく貢献していると考えます」(松岡氏)。

「Azure上でKona DDoS Defenderを実装するのは今回が初の取り組みでした。ですが、緻密な工程管理と、3社間の情報共有により、無事ロードマップに沿って進めることができました。アクセスが急増するタイミングまでに実装が間に合ったのは、FIXERとマイクロソフトの協力があってのものでしょう」(永田氏)。

今後の展望
伊勢志摩サミットのレガシーを活用したポストサミットにより、さらなるイノベーションを目指す

「安全で正確な情報発信」が寄与し、サミットを大成功に収めた三重県。三重県は、サミットの開催によってもたらされた有形無形の好影響を「レガシー」と定義し、これを最大限に活かした「ポストサミット」の取り組みを実施していきます。

鈴木氏は平成28年度から、「人と事業を呼びこむ」「成果を発展させる」「次世代に継承する」という3つの観点からこのポストサミットを推し進めていると、意気込みを語ります。

「今回のサミットでは多大なレガシーが生まれました。このレガシーを、県民の皆さんによる地域発展のための行動や、地域をより良くしようとする行動へつなげていくことを構想し、ポストサミットを実践していきます。サミットを一過性のものとせず発展させ、さらにそれを次世代に引き継ぐことで、だれもが幸せを実感できる三重の実現を目指します。11月27日には、『伊勢志摩サミット三重県民宣言』も発表しました。県によるポストサミットの取り組みと、県民の皆さんのさまざまな行動や意欲の連鎖が生まれてくることで、三重県や各地域の活性化につながっていくと考えています」(鈴木氏)。

松岡氏は、このポストサミットにおいても、IT面から支援していくと続けます。

「当社では伊勢志摩サミットだけでなく、三重県とともに産学官連携による児童向けITイベントを開催したり、2016年10月に三重県にて開催された『全国高等専門学校プログラミングコンテスト』へ審査員として参加しました。優れたプラットフォームの提供により伊勢志摩サミットの成功を支えたマイクロソフトや、アカマイ・テクノロジーズのような高度な技術を持つパートナー企業とも密に連携しながら、三重県のIT推進に寄与し、今後もポストサミットをはじめとする施策を支援していきたいと考えています」(松岡氏)。

伊勢志摩サミットの成功を通じて、またひとつ次世代につながる新たなイノベーションが開花した三重県。このイノベーションは、同県が持つ文化や伝統と共存しながら、三重県をさらなる進化へと誘う大きな力になるでしょう。

「(Azureへ切り替えた後の)県民会議の Web サイトに対するアクセスは平常時の数倍あり、会期直前の5月はおよそ10倍にも膨れ上がりました。また、三重県へ届く電子メールの数も平常時のおよそ6倍に達しました。その中には業務以外のメールも多く含まれていると推測され、いかにサイバー攻撃が増大したかが現れています。こうした状況下でも、サミットの成功要因の1つである『情報発信』の根幹を守り、ページ改ざんといった事態の発生を防げたことは、三重県の知名度と信用力の向上につながったといえるでしょう」

三重県知事
鈴木 英敬氏

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