【連載】

プロが採点! AVライター視点のAVノートレビュー

1 ソニー VAIO typeA VGN-AW50DB/H」編

    鳥居一豊  [2008/10/30]

    PCメーカー各社がAVノートと呼ばれるものを発売しているが、AV機器と比べた場合の使い勝手はいったいどうなのだろうか。そんな疑問に、AVライター鳥居一豊氏がお答えしよう。AVライターとして活躍している氏が、AV機器として重要な5項目について5点満点で評価。連載第一回となる今回は、ソニーの「VAIO type A VGN-AW50DB/H」を徹底的にチェックする。

    テレビ録画もBD再生もすべてこなす、ハイパフォーマンスモデル

    VAIOノートのフラッグシップモデルで、デスクトップに迫る高性能と、豊富なAV機能を持つ。「ビデオエディション」と呼ばれる本機は、動画再生に適したフルHD解像度の「クリアブラック液晶」を採用し、地上デジタルチューナーも搭載。ビデオ編集用のソフトも充実している。

    VAIO typeA VGN-AW50DB/H

    操作性 : オリジナルソフトの採用で快適&多機能

    タッチパネル式の操作パネル

    評価★★★★☆
    テレビ視聴および録画は、VAIO共通のオリジナルソフト「GigaPocket Digital」を採用。付属のリモコンを使った操作は家庭用のレコーダーとまったく変わらない。リモコン操作時と、マウス&キーボード操作時では画面のGUIがそれぞれに最適なデザインに切り替わるのもユニークだ。

    しかも、機能性においても、自動録画や2番組同時録画を備え、レコーダーと比べても不満のない実力を備えている。

    BDソフトの再生は「WinDVD BD for VAIO」で行う。また、キーボード上部にはAV系ソフトの再生ボタンが用意される。タッチパネルを採用しているため、デザイン的にすっきりしているのも魅力。なお、「AV MODE」ボタンを押すと、リモコン操作用のGUIにワンタッチで切り替えが可能。

    レスポンス : 基本的なレスポンスは良好だが、TV視聴は少々難あり

    地デジ視聴ソフト「Giga Pocket Digital」

    評価★★★★☆
    BDソフトなどの読み込みや再生時のスムーズさといったレスポンスは良好で、CPUをはじめとするパソコンとしてのスペックの高さを実感できる。全画面表示でも、ポップアップメニューの表示で映像が乱れることもなく、再生中に映像や音が途切れることもなかった。このあたりの完成度の高さはさすがAVメーカーと言えるだろう。

    テレビ録画や再生時のレスポンスも快適で、PCの操作に慣れている人なら、レコーダーよりも使いやすいと感じるほどだ。しかし、唯一気になったのが、地上デジタル放送のチャンネル切り替えの遅さ。一般的な薄型テレビと比べて明らかに遅く、少々イライラしてしまった。この点はぜひ改良してほしい。

    画質 : 薄型テレビを圧倒しかねない、驚異的な高画質

    薄型テレビに匹敵する高画質の液晶

    評価★★★★★
    BDソフトの映像を全画面表示にしたとき、正直慌てた。恐ろしいほどの高画質なのだ。18.4型という液晶はノートパソコンとしては大きく、薄型テレビとしては小さめという少々中途半端なサイズに感じるが、PCとテレビを両用するならこれくらいがちょうどいいのではないか。

    光沢パネル液晶は残像感が少なく、暗部の再現性も良好。ノイズの少なさを重視しているようで、映像はやや穏やかな質感になるが、さすがはフルHD表示だけあって細部のディテールや奥行き感の再現に不満はない。

    もともとビデオエディションは、AV視聴というよりも、ビデオモニタ的な用途を想定しているためか、モニタの実力が極めて高く、忠実感のある映像を楽しめる。加えて、テレビやBDソフトの視聴時、PC画面の表示時などで色再現を自動で切り替える機能も非常に便利だ。

    音質 : 内蔵スピーカーとは思えないワイドレンジな音

    キーボード上部のスピーカー

    評価★★★★★
    画質だけでなく、音の良さにも驚かされた。サブウーファーを底面部に備えていることもあり、低音から高音までの再現の幅が広く、オーケストラの演奏を聴いていても、低音楽器の音階まできちんと鳴らし分けるのは立派。単純に力任せな重低音を再生するだけではないので、音楽を聴いていても、ベースラインのしっかりとしたサウンドを楽しめる。

    サブウーファー内蔵ながら、キーボード面に伝わる振動がほとんどないのもすごい。また、PCの内蔵スピーカーとしてはノイズ感が極めて少なく、音の明瞭度も高い。かなり本格的な音作りになっている。

    拡張性 : ノートパソコンとしては十分な接続端子

    HDMIやCFカードスロットなど端子は豊富

    評価★★★★☆
    最新のAVノートパソコンとしては不可欠なHDMI出力をはじめ、ヘッドホン出力、TVアンテナ入力と、AV系の入出力は十分な装備を持つ。

    さらには、HDV/DV入出力が可能なi.LINK端子、3系統のUSB端子、SDメモリーカードスロットなど、ビデオ編集用の装備も充実している。AV用途はもちろん、本格的なビデオ編集でも不足を感じることはまずないだろう。

    なお、TVアンテナ入力は小型端子だが、一般的な大型端子への変換コネクターも付属しているので、アンテナ接続も容易だ。HDMI出力の画質の実力は高く、大画面テレビではディテールの繊細さや奥行き感のある映像再現がさらに際立つ印象だ。

    総評 : 大きめなサイズが気になるが、画質・音質の実力は最優秀

    評価★★★★★
    ノートパソコンとしては最大級の画面サイズということもあり、横幅約437.2mmという寸法は、AV機器サイズ。一度置き場所を固定したら、家の中でもあまり持ち運びたくない大きさだ。そのあたりが多少気になるが、一台でテレビとBDレコーダーと高性能パソコンを兼ねる据え置き機として割り切れば問題ないだろう。

    とにかく画質・音質の実力が極めて高いので、もはやパソコン機能も兼ね備えた統合型AVマシンとでも言うべきモデルだと感じた。総合的には文句なしで満点となる5点だ!

    ソニー
    VAIO typeA VGN-AW50DB/H
    操作性 ★★★★☆
    レスポンス ★★★★☆
    画質 ★★★★★
    音質 ★★★★★
    拡張性 ★★★★☆
    総合評価 ★★★★★
    ■主な仕様
    CPU Intel Core 2 Duo T9400(2.53GHz)
    チップセット Intel PM45 Express
    メモリ 2GB(最大4GB)
    HDD 500GB
    液晶 18.4型ワイド(1,920×1,080ドット)
    グラフィックスチップ NVIDA GeForce 9600M GT
    光学ドライブ Blu-rayディスク
    無線LAN IEEE802.11a/b/g/n
    Webカメラ 131万画素
    テレビチューナー 地上デジタル×2
    その他の主な機能 FeliCaポート
    インタフェース USB2.0×3、iLink×1、ミニD-Sub15ピン×1、HDMI出力端子×1、LAN端子(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)ほか
    OS Windows Vista Home Premium
    サイズ 約437.2(W)×36.9~39.7(H)×288.9(D)mm
    重量 約3.9kg
    価格 299,800円

    ライタープロフィール
    鳥居一豊 : モノ雑誌やWeb媒体で活躍するAV系フリーライター。発売されるありとあらゆるAV機器に触れており、その機能を熟知している。この連載ではAVという観点からノートPCをレビューする。

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