1976年に法人化された米アップルコンピュータ(現アップル)は、Apple IやLisa、Macintosh、iMacなど、革新的なパソコンを登場させて熱烈な支持を得てきた。現在でもiPhoneやiPadなど話題には事欠かないが、30年以上に渡る長い歴史の中で、アップルの周辺ではさまざまなグッズが登場している。この連載では、アップルにまつわる懐かしいグッズを中心に紹介していきたいと考えているが、古いものに関してはいつどこで入手したのか不明な品も多数ある。もし、読者の皆様の中にこれから紹介するグッズに関して知っている方がいたらぜひ幣誌まで情報をお寄せいただきたい。また、「こんなグッズもありました」といった情報も大歓迎である。皆様と一緒にこの連載を盛り上げていければと思う。

今回紹介するのは「アップルコンピュータワイン」である。ラベルには「Special Thanks from Apple Japan,Inc 1993 Eire Ban」と印刷されている。おそらく、誰かからいただいたモノだと思うのだが、入手した時の記憶がまったくない。アップルコンピュータ(現アップルジャパン)に関わる品であることは間違いないのだが、ラベル以外はなにも貼られておらず手がかりもなし。ちなみに「Eire Ban」は、Sauvignon Blancというぶどうの品種らしいのだが、Eireはアイルランドのゲール語名のようである。

もしこのワインが、1993年に配られたものだとしたら、ジョン・スカリーの後を受けて社長になったマイケル・スピンドラーの時代である。アップルの業績がかなり悪化しており、身売り話が頻繁に出ていた頃だ。日本でアップルコンピュータジャパンが設立されたのが1983年で、アップルコンピュータに名称が変わったのが1992年。1993年2月には、Macintosh Color Classicをはじめとして、LC III、Centris 610、Quadra 800などが発表された。11月にジョン・フロイサンドが日本法人の代表取締役社長に就任しているので、もしかするとこの辺りの記念品なのかもしれない。

なお、このワインはご覧のとおり未開封だが、保存状態は非常に悪く、おそらく中身はもうワインと呼べるものではないだろう。残念ながらこの先も飲むことはなさそうだ。

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