松井優征原作・週刊少年ジャンプで連載していた大人気漫画『暗殺教室』を原作に映画化した『暗殺教室』『暗殺教室~卒業編~』が、2作合計の興行収入60億円超えの大ヒット。<卒業編>のBlu-ray&DVDが12日に発売となる。学園の落ちこぼれクラスに担任として現れた、地球破壊を予告した謎の超生物「殺せんせー」の暗殺を命じられた生徒たちが成長していく姿を描く。

映画の取材と言えば、公開前が主になるが、実はネタバレへの配慮などでしゃべれないことも多い。今回は映像ソフト発売に合わせて、羽住英一郎監督に、重大なネタバレは控えつつも今だから話せる裏話や、プロジェクト全体の振り返りを伺っていく。

羽住英一郎監督
1967年3月29日生まれ。千葉県出身。ROBOT所属。数々のTVドラマの演出を手がけ、2004年『海猿』で映画監督デビュー。その後、『LIMIT OF LOVE 海猿』(06)、『THE LAST MESSAGE 海猿』(10)、『BRAVE HEARTS 海猿』(12)の海猿シリーズはじめ、『逆境ナイン』(05)、『銀色のシーズン』(08)、『おっぱいバレー』(09)、『ワイルド7』(11)、『劇場版MOZU』(15)などヒット作を次々と手掛ける。

1作目のヒットを踏まえたからこそ、いい2作目に

――「殺せんせー」役は嵐の二宮和也さんですが、1作目では声のみの出演だったのはぜいたくですよね。<卒業編>の回想シーンではじめて姿が出てくるという。

1作目がヒットして<卒業編>を作れれば、殺せんせーの過去として暗殺者・死神というキャラクターが出てくることは最初からわかっていたので、そこは二宮和也くんにやってもらいたいなと思っていました。無事に続編が出来て、死神役として二宮和也くんに出てもらえて良かったです。

――今回のプロジェクト全体で意識した点はありますか?

(撮影中は)原作が現役の人気漫画ですが、僕自身が『週刊少年ジャンプ』を毎週買って読んでいる世代ではないので、若い人たちに委ねた部分は大きいですね。生徒役の子たちの方が、リアルにジャンプを楽しみにしているんですよ。なので、その子達から出てくる芝居をとらえた方が、ターゲットになっている年代に近いんだろうなというのは、すごく意識して撮りました。

「旅のしおり」と門限

――キャストは若い方が多かったですが、男女の行き来が禁止になっていたという話も小耳にはさみまして……。

ロケの間はプロデューサーによる「旅のしおり」があって、門限もあって、生徒を引率するスタッフがちゃんとついて、女子のホテルの方に男子がいかないように、男子のホテルに女子がいかないようにと、ちゃんとしていました(笑)。お酒も、20歳をすぎていて飲める子もいるし、もちろん未成年の子もいるので、そのへんもきっちりと。

――ファンはひと安心ですね。未成年が多い現場ならではの苦労といえるでしょうか。

そうですね。でも、若い子たちがいっぱいいるというメリットの方が、作品としては大きかったですから。特に教室のシーンで画面から出ているパワーは、若い子達から出てくるものをそのまま撮るだけで良かったので。

――赤羽業役の、菅田将暉さんもやはり印象的でした。

彼は初めて会った時にすごく色気を感じたんですよね。撮ってみると、いろんな仕事をやってるのに常に全力だし、その全力が空回りしないというか。的確に力を出し切ってくるというか。すごくいいですよね。

※第3回は10月13日更新の予定です。

映画『暗殺教室~卒業編~』(Blu-ray&DVD発売中)
■Blu-ray スペシャル・エディション(4枚組) ¥7,800+税
■DVD スペシャル・エディション(4枚組) ¥6,900+税
※Blu-ray&DVDスタンダード・エディション同時発売、10月5日よりBlu-ray&DVDレンタル開始

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発売元:フジテレビジョン 販売元:東宝