撮影タイミングが難しい時は?

仕事の資料を作りたい時や、自社製品が使われている様子を記録したい時など、ちょっとした撮影をしたいことはよくある。スマートフォンは手軽に撮影できるから、カメラを別途持っていない時や、間に合わせで簡単に撮影してしまいたい時には便利だ。しかし、シャッターのタイミングが専門のカメラと比べて少々遅い機種などもある。

高性能なカメラならば構えて待ち構えておいて、人が途切れた瞬間にシャッターを切るというようなこともできるが、スマートフォンだと待っているうちに画面が消えてしまったり、タイミングを見計らったつもりがズレてしまったりということも多い。仕事中にささっと撮影したい時には悩み物だ。

そういう時には、とりあえずある程度妥協した状態で撮影してしまってから、レタッチするとよい。しかし、被写体の外側にいらないものが入った程度ならばトリミングでごまかせるが、見せたいものの近くに映り込んでしまったものが邪魔になる時には手間がかかる。そんな、ちょっと邪魔なものを消してしまいたい時に頼りになるのが「TouchRetouch Free」だ。

「TouchRetouch Free」

選択範囲は投げ縄かペンで指定

起動した画面では「ギャラリーから写真を開く」、「カメラで写真を撮る」という加工する画像を選択するためのメニューのほかに、チュートリアル動画再生のためのメニューが用意されている。基本的にPCのレタッチソフトを使ったことのある人ならば直感的に利用できるようなものなのだが、不安ならば見ておくとよいだろう。「基本的」の方では邪魔なものを消すだけの手順が、「上級」の方では少々凝った使い方が紹介されている。

チュートリアルが用意されているから画像処理未経験でも安心だ

余計なものが入っている画像を用意したら、消したいものを選択する。ツールは下のツールバーにあるものが全てだから、とてもシンプルだ。左端の「投げ縄」はぐるりと囲った始点と終点を直線で繋いでくれるから、ほぼ円に近いような範囲をざっくりと取るには便利だ。

投げ縄の右にある「ペン」ツールは、タッチした部分に線を描くように選択範囲をつくる。ペンツールをタッチした後にはスライドバーが表示されるが、これでペンの太さも調整可能だ。画像の方もピンチやダブルタップで拡大/縮小できるから、作業しやすい大きさで表示し、ほどよい太さのペンを作ろう。

おすすめは、ざっくりと投げ縄で範囲を作ってから細かい部分をペンと、その隣の「消しゴム」ツールで調整する方法だ。あまり厳密な範囲である必要はないが、できるだけ無駄なエリアを選択していない方が綺麗にできる。全て選択塩言えたら右から2つめの「START」ボタンをタップしよう。背景が均一なものだと、ほとんど存在がわからないレベルで綺麗に消えてくれる。

余計なものが入っている画像を開き、下のツールバーから利用するものを選択

ペンツールの太さはスライドバーで変更できる

いらないものを赤い選択範囲で塗りつぶしたら「START」ボタンをタップしよう

背景画像次第だがかなり綺麗に消すことができる

自動的に周囲の似た範囲をコピーして穴うめ

どうやって消しているのかといえば、選択範囲の周囲から似たところをコピーして貼り付けている。たとえば森の中ならば葉の部分、道路ならアスファルトの路面がコピーされて貼り付けられるわけだ。元々均質な場合と、ごちゃごちゃと細かすぎて細部がわからないあ場合には使いやすい。

しかしはっきりと違いがわかる要素がある場合には難しい。たとえば罫線のあるノートなどの場合、範囲の取り方によっては斑な継ぎ目が見えてしまう。

チュートリアルの上級を見ると、連続的な背景の切れ目をうまく継いでいるような動作をしている。つまり、背景の特性にあわせて上手に選択すればうまくいく可能性もある。ただしかなりの熟練が必要そうだ。小さめに選択範囲を作るなど工夫して利用するとよいだろう。

罫線のあるノート上で適当に選択範囲を作ってみた

実行してみると斑になってしまった

加工した画像は保存か共有

加工が終わったら右下のボタンで保存するか共有するかが選択できる。保存は460×816pixと一般的なスマートフォンの撮影画像からするとかなり小さくされてしまうが、これが固定サイズだ。有料版アプリを購入すると、オリジナル画像と同じサイズでの保存が可能になる。

共有メニューではいろいろなアプリに共有できるから、加工してSNSに投稿したい場合などにはこちらを利用すると便利だろう。

保存メニューでは画像サイズが固定されている

保存時には元ファイルと違う名前をつけて保存できる

共有ではSNSやメールなど他アプリに直接引き渡し可能だ

「TouchRetouch Free」
利用料金:無料
制作者:ADVA Soft