手軽に使える翻訳ツールでいざという時に備える

海外旅行中にちょっとした尋ねごとをしたいけれど、言葉がわからなくて困ったという経験を持つ人は多いだろう。また、簡単な質問くらいはできるつもりだったのに相手にうまく伝わなかった、という話もよく聞く。普通に国内で暮らしている時でも、外国人に道を尋ねられただけなのに自信がなくて逃げ出してしまった、などというのもよくある話だ。

こうした事態に備えて学習を進めるサポートをしてくれた上で、いざという時には直接的な助けにもなってくれるのが翻訳アプリだろう。スマートフォンには「話した言葉を聞き取って翻訳してくれる」というアプリやサービスがある。そのうちの1つが「NariTora」だ。サブタイトルに「音声翻訳 for 成田空港」とついているように、成田空港が提供するアプリだというのもおもしろい。

会員登録不要、無料ですぐに使い出せるアプリだから、いざという時の備えにするもよし、海外旅行時などに当座の用事をアプリに頼って済ませるのもよし。普段の語学学習に利用することも可能だ。

「Naritra」

NariToraの利用には、インターネット接続が必須だ。翻訳をサーバ側で行うため、LTEやWi-Fiでインターネット接続できる環境でしか利用できない。またかなりバッテリーを消耗するアプリでもあるので、明らかに不要な時期にはアンインストールするなど何か工夫をするのがおすすめだ。

使い方は簡単で、起動した画面で全ての機能が解説されている。使い方を忘れてしまった時にもここを読めば済むから、久しぶりに使う時でも安心だ。翻訳する言語は、上にある「日本語→英語」と書かれているバーをタップすると行える。

日英中韓の4言語に対応しているが、基本的には日本語から3言語への翻訳か、3言語から日本語への翻訳かという選択になる。左右のメニューで言語を選択し「OK」をタップすれば設定完了だ。

使い方の説明はトップ画面ですべて確認できる

翻訳言語の設定をしてから使い始めよう

音声入力の方法は2通り

音声入力は、画面を見ながら話す方法と、電話をかける要領で話す方法の2種類が用意されている。標準では起動した状態で電話で話す方法での待ち受け状態になっているから、まずはこの方法を試してみよう。

片手で持ち、電話をかけるように耳や顔に近づけるとセンサーで近づき具合を判断してくれる。端末のバイブで入力開始が通知されるから、翻訳したい言葉を話せばよい。耳から離すと自動的に入力が終了となり、認識と翻訳が開始される。

画面を見ながら話したい場合は、画面下中央のマイク型ボタンをタップしよう。入力開始のダイアログが表示されるから、画面に向かって話しかければよい。フキダシの中の色が動くのが、音声が入っているかどうかの目安になる。話し終わったら「OK」ボタンをタップして完了させれば、認識と翻訳が始まる。

うまく音声認識がされれば、いきなり翻訳結果の言葉が音で流れ出す。画面上には話した言葉の認識結果と、それを翻訳したものをさらに元の言語に翻訳しなおした「逆翻訳」の結果が表示される。機械的に判断するため、どうしても元のニュアンスがくみ取れないこともあるのだが、この逆翻訳の結果で相手にどういう意味の言葉が伝わっているのかが確認可能だ。

さらに下には翻訳結果が文字で表示され、左のボタンをタップすると何度でも音声が再生される。読み上げて自分で話しかけてみてもよし、アプリに話してもらってもよし、というわけだ。

マイクボタンをタップして録音を開始し、終了したら「OK」を押す

うまく認識できなかった時にはエラー画面が表示される

認識した言語と、逆翻訳結果、翻訳結果が表示される

テキスト入力で変換もOK

文字を入力してのテキスト認識もしてくれる。起動画面で左上の「テキスト入力」ボタンを押すと、入力画面が表示されるから、翻訳したい言葉を入力しよう。「OK」を押すと、音声認識と同じように翻訳結果の表示と再生が行われる。

認識結果に問題があった時には、音声認識でもテキスト入力でも、認識結果の左にあるペン型のボタンを押すことでテキスト修正が可能になる。日本語としては通じる言葉でも逆翻訳が意図したものと違った結果になるのならば、やはりここで修正するとよい。

音声認識でも同じだが、できるだけ綺麗な日本語で、短い1文にするのが翻訳成功のコツだ。しかし、一応複数の文を重ねたような文章でも翻訳はしてくれる。余裕のある時にいろいろとチャレンジして、癖をつかむのがお勧めだ。

テキスト入力での翻訳も可能

長い文章だと思うような翻訳結果を得るのは難しいが、一応翻訳はしてくれる

履歴表示を使って事前準備した言葉の利用も可能

左下にある時計型ボタンをタップすると、利用履歴が表示される。標準では最近利用したものが上に表示される「時間」が有効になっているが、くりかえし使ったものが上にくる「利用頻度」での表示も可能だ。

このリストから選択すると、いきなり翻訳結果の画面が表示され、音声も再生される。これを利用すれば、使いそうな言葉を事前に翻訳しておいて、使う時に1タップで呼び出すことも可能だ。

「私が合図をしたら、画面に向かって話してください」などという訳文を作っておいて、相手言語から日本語への翻訳に切り替えた後で話してもらうのもおもしろいかもしれない。

履歴画面では今まで使った翻訳の一覧を表示、再度翻訳結果の表示ができる

履歴はロングタップすると1件ずつ削除可能だ

「Naritra」
利用料金:無料
制作者:成田国際空港株式会社