アナログ全開な「ミスター・スパーク」のデモに、子どもたちも興味津々

ミスター・スパークBirthdayイベントの一環として当日は4回のショータイムも実施。ふだんは静態展示のみだが、特別に岡本氏の解説付き動作デモが行われた。午後の回には背中のパネルを開け、集まった子どもたちにシーケンス制御の様子も披露。携帯用ゲームなどでデジタル漬けの子供たちも、50年前のアナログ技術には興味津々の様子だった。

岡本氏による「ミスター・スパーク」の解説付きデモ

仕組みの解説。背面内部にある円盤の回転によってシーケンス制御されている

背面内部を実際に披露。円盤上の突起がスイッチを押すことで各部が動く

デモを横から撮影。立ったり座ったりの様子がよくわかる

秋本氏も約30年ぶりにミスター・スパークと再会。デモの後も、修復プロジェクトのメンバーに開発当時の想い出を語っていた。ちなみに筆者は、背面内部の円盤の交換により動作シーケンスを変更できたのでは? と考えていたのだが、秋本氏の見解では、円盤は誕生当時のまま変わっていないとのことだった。

開発を手がけたロボットは言わば我が子。約30年ぶりの再会を喜ぶ秋本氏

ミスター・スパークを囲んで、秋本氏と修復プロジェクトのメンバーが集合

相澤ロボット修復プロジェクトの今後…問題はやはり資金?

修復プロジェクトでは今後、「三郎」の失われた歩行メカニズムについて秋本氏のアドバイスを仰ぎつつ、極力、誕生当時に近い技術や部品を用いて修復を目指す。しかし問題は資金だ。部品を一から揃えていくと相当な金額になることは間違いない。岡本氏としては、ロボットたちのグッズ販売やイベント開催、基金の設立なども考えているそうだが、現財団の人手不足もあり、なかなかすぐに動き出すのは難しい状況だ。

今でこそ世間一般からは忘れ去られた感のある相澤ロボットだが、かつては "会いに行けるロボット" といえばコレ! という存在であり、全国各地で無数の子供たちと触れ合ってきた。その姿が想い出の1ページとして刻まれている方もきっと多いはずだ。今後、基金設立が実現した暁には、ぜひ修復資金提供にご協力いただきたい。

多摩六都科学館にはもう1体、「お絵かきロボット りょうくん」も常設展示されている。ぜひ会いに行ってみて欲しい

お話会の当日には、相澤ロボット関連資料もショーケースに展示されていた。これらは筆者が科学館に協力して収集したもの

また、微力ながら筆者も引き続き相澤ロボットの資料研究を続け、修復プロジェクトに協力していきたいと考えている。近々では、4月15日発売のオーム社「ロボコンマガジン」5月号で相澤ロボットの特集記事が掲載される予定なのでご期待いただきたい。今後とも情報提供は大歓迎なので、何かご存知の方はお知らせいただければ幸いだ。