「ロボット」が、ビジネスのあらゆる現場で活躍し始めているが、特に人と人とのコミュニケーションの場での活用が期待されているのがヒューマノイド・ロボットである。なかでもシャープが提供する「RoBoHoN(ロボホン)」は、コンパクトでありながら多機能なヒューマノイド・ロボットとして、ビジネス用途においても無限の可能性を秘めている。その誕生経緯に迫る。

手軽に携帯可能な二足歩行するヒューマノイドロボットが誕生

これまでは生産分野に限られるイメージの強かった企業でのロボット活用だが、ICTの急速な発展などを背景に、いよいよあらゆるビジネス領域で導入が進みつつある。そんなビジネス用のロボットのうち、その見た目から人と直接接する業務での活用で特に注目を集めているのが人間のかたちをしたヒューマノイド型ロボットである。無機質なイメージのある一般的なロボットとは異なり、目の光や色、手や頭の動きなどといった仕草で気持ちを表現するなど、コミュニケーション能力に優れているのがヒューマノイド・ロボットの特徴であり、既に店舗の受付などで見かける機会も増えている。しかし、一般的なヒューマノイド・ロボットはまだまだ大きく重く、価格も高い。そのため、活用する用途や場所が限られているのが課題だった。

そうしたなか、小型で手軽に携帯でき、ビジネスで役立つ多種多様なコミュニケーション機能を備えながら、1台10万円代という極めて低価格なヒューマノイド型ロボットとして注目を集めているのが、シャープが提供する「RoBoHoN(ロボホン)」である。

シャープ「RoBoHoN(ロボホン)」

2016年春に発売を開始した「ロボホン」は、世界初の「モバイル型ロボット電話」。二足歩行が可能なヒューマノイド・ロボットとしては極めて小型のサイズ(身長約19.5cm)を実現し、外出先にも手軽に持ち運んで使用できるのが大きな特徴だ。

シャープ IoT通運事業本部 コミュニケーションロボット事業統括部 市場開拓部 木戸貴之氏

シャープ IoT通運事業本部 コミュニケーションロボット事業統括部 市場開拓部の木戸貴之氏は言う。「なんと言っても身長20センチに満たないというサイズ感が他のロボット製品とは決定的に異なると自負しています。手軽に持ち運べるため、ビジネスでの活用シーンもアイデア次第で限りなく拡がることでしょう」

「電話」とあるように、モバイル通信(LTE/3G)に対応していて、電話やメール、カメラなどスマホ/携帯電話の基本機能を備えている(より廉価なWiFi専用タイプも10月にリリース)。これに加えて、専用アプリケーションで提供されるさまざまなサービスを「ロボホン」と対話しながら使用することができる。さらに、頭部にフォーカスフリー小型レーザープロジェクターを搭載しており、写真や動画、地図などを壁やデスクの上など任意の場所に投影可能だ。

頭部には小型プロジェクターを備えており、写真や動画、地図などを好きな場所に投影することができる

そしてユーザーの利用状況やプロフィールなどを「ロボホン」が学習・成長するため、活用すれば活用するほどより自然なコミュニケーションが可能となる。見た目だけでなく、その特性もまた人間に近いと言えよう。

「スマートフォンと人の関係を見直したい」という思いで開発した音声UIがベースに

「ロボホン」を生み出したシャープのIoT通運事業本部は、もともと携帯電話事業を手がけていた組織である。2011年頃より携帯電話からスマートフォンへと大きくシフトしていくなか、人々が肌身離さず使用する「家電」として、スマートフォンをいかに楽しいデバイスにするかという課題に挑戦することとなる。そこで「本気でスマートフォンと人の関係を見直したい」という意気込みのもと開発したのが、AIを活用したスマートフォン向けの音声UI「emopa(エモパー)」だ。

2014年10月に登場したemopaは、シャープ製の家電製品に搭載されている人工知能(AI)「ココロエンジン」をベースに、モバイル端末向けに新開発してスマートフォンに搭載された。これにより、様々な状況に合わせて気のきいた言葉でユーザーの行動にヒントを与えたり、ユーザーの気持ちに寄り添ったメッセージを音声や画面表示でお知らせしてくれるといったように、スマートフォンと人とのこれまでにないコミュニケーションを可能としたのである。

このemopaの開発を進める中で、スマートフォンの進化系の1つとして、emopaの持つ音声によるコミュニケーション機能を取り入れたロボットというアイデアが持ち上がる。それまでシャープでは、対人型ロボットを手がけた経験がなかったことから、かねてより縁のあったロボットクリエイターの高橋智隆氏(東京大学先端科学技術研究センター特任准教授、ロボ・ガレージ代表取締役)に相談したところ話が進んでいった。こうして高橋氏との共同により、ロボット型のスマートフォンの開発が進められた結果、「ロボホン」は誕生したのである。

個人向け、法人向けどちらでも利用可能な「ロボホン」だが、ビジネスユースとして最初に導入されたのは、岡山県倉敷市の倉敷観光コンベンションビューローだった。倉敷にまつわる約100の情報を記憶する「ロボホン」は、倉敷美観地区内にある観光案内所(倉敷館)の受付として、観光客からの質問に答えたり、プロジェクターを使って観光案内をしたりしている。イベントなどでは出張対応も行う。かわいいロボットが案内してくれる事により、訪れた観光客などに楽しんでもらえるほか、話題作りにも役立っているという。

「とりわけ日本人は、無機質なものには話しかけづらいといった文化があるので、『ロボホン』のように人のかたちをしていて仕草もあるのは圧倒的に話しかけやすいのでしょう。ね」(木戸氏)

小型でありながら二足歩行も可能な「ロボホン」。目の色で感情を表現することもできる

「ロボホン」は既にビジネスの様々な現場で大活躍している。用途ごとの活用シーン等については、次回更に詳しく紹介していきたい。

サテライトオフィス


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