今回取り上げる記事はごく最近"the journal Fertility and Sterility"というジャーナル紙に取り上げられたもので、それによると"Turns out that sitting with a computer on your lap will crank up the temperature of your nether regions, which could affect sperm quality."とあるように「男性が膝にコンピュータ(ノートパソコン)を置いていると、このコンピュータの熱によって男性の大事な部分の温度が上がってしまい、その結果、精子の質に影響を及ばしてしまう」と、男性にとっては聞き捨てならないようなことが書いてあります。

記事によると、通常の状態では、体の外にある睾丸自体が車でいうところのラジエーターの役目を果たし、本臓器の温度を体内の他の部分より数度ほど低く保っているんだとか。そしてこの状態こそが質の良い精子を作る上でもっとも適しているんだと説明しています。

ところがノートパソコンを膝に置くときは、両足は閉じぎみになってしまうのが常で、股間あたりは蒸れに蒸れ、この状態で一時間もすると睾丸の温度は何と2.5℃も上昇してしまうんだとか。

専門家たち曰くは、1℃の上昇でも危険水位に入るのに、2.5℃もの上昇は正に危険値のピークゾーン。悪影響は避けられない状態になってしまうとのこと。

そしてこの温度上昇は、たとえノートパソコンの熱対策用に作られているパッドなどを敷いてみても、たとえ枕を挟んでみても、効果なし。意識して両足を広げてみても多少の時間稼ぎにはなるものの、やはり温度の上昇を止めることは出来ないんだそうです。

今回行われた実験は"The researchers hooked thermometers to the scrotums of 29 young men who were balancing a laptop on their knees. They found that even with a lap pad under the computer, the men's scrotums overheated quickly."「膝にノートパソコンを置いた29人の若い男性の陰嚢に体温計を取り付けてみたところ、パッド有り無しに関わらず陰嚢の温度は急激に過熱した」とあるように、実験対象になったのはわずか29名。この数では到底確固たる結論に至ることは出来ないとしてはいるものの、世の男性諸君に注意を促すには十分と結論づけています。

また"the American Urological Association(米国泌尿器科学会)"によると、"nearly one in six couples in the US have trouble conceiving a baby, and about half the time the man is at the root of the problem."とあるように、アメリカでは6組に1組のカップルが子供が出来ない悩みを抱えているようで、その約半分が男性側に原因有りとされています。ノートパソコンの熱がもし不妊の原因になり得る要因を抱えているなら、これもまた真剣に考えてみるべきことなのかもしれませんね。

日本でのノートパソコン人口は世界でもトップクラスですが、日本では膝に置くより、机やテーブル上で使う人の方が多いよう。よって欧米に比べ、このような睾丸温度の上昇による危険は少ないのかもしれません……でも他の国のことと高をくくっているだけでなく、現在結婚されている諸君、将来結婚を夢見ている諸君、明るく充実した結婚生活の為に、一つの警告として頭の隅に置いておこうではありませんか!?

今回のURLは、Your laptop could be cooking your testicles - Health - Men's health - msnbc.com。興味がある方は是非チェックしてみてください。

英語ワンポイント:

日本では持ち歩きできるパソコンのことは「ノートブックパソコン」とか、短く「ノートブック」と言いますが、これは日本語英語(外国人でも一部の人はこの言い方、好んで使っているようですが)。正しくは「膝の上に置くコンピュータ」ということから"laptop computer"とか、略して"laptop"などと言います。

ではまた次回。