1月に発表された液晶ペンタブレット「Cintiq 27QHD」。今回は、新しいオンスクリーン機能「オンスクリーンコントロール」を紹介していく。

定番のラジアルメニュー

Cintiq、Intuosには従来から「ラジアルメニュー」という、オンスクリーンのメニュー表示機能がある。これはカスタマイズ可能な放射状のメニューをポインタ近くに呼び出すもの。27QHDのような大型液晶タブレットでは「メニュー」エリアが遠くなってしまうので大変重宝する機能だ。

Intuosでもおなじみのラジアルメニュー。マウスポインタの場所に現れるのが特徴

カスタマイズの幅が広いオンスクリーンコントロール

Cintiq 27QHDでも当然、ラジアルメニューは搭載されているが、これに加え、新しいオンスクリーン機能「オンスクリーンコントロール」が搭載された。この機能はタブレット端末のCintiq companionで搭載されていたもので、独立型のCintiqシリーズとしては初の採用となる。

ラジアルメニューが一時的なメニュー呼び出しだったのに対し、オンスクリーンコントロールは「スクロール」及び「ボタン」のウィンドウを常時、画面上に表示させておくことができる。また複数のパネルを同時に表示させることも可能であることが特徴だ。ボタンは8つまでのファンクションを1×8もしくは2×4で表示できる。ボタンには機能名を表示させることができるので、非常にわかりやすい。

また、スクロールタイプでは2列のスクロール機能を表示させ、画面のズームやスクロールを操作することができる。操作はペンだけでなく、マウスや、タッチ機能があれば指での操作もできる。ただし、ポインタで操作するため、ExpressKeyのスクロールホイールの代用品とはならない。

ボタンタイプのオンスクリーンコントロール。縦並び、横並びも選択できる

スクロールタイプのオンスクリーン。ペンや指でスクロールすることでコントロールする

このオンスクリーンパネルはExpressKeyのファンクションボタンで呼び出す。実行後、自動でウィンドウを消すこともできるし、常時、画面上に表示させることも、ウィンドウの位置を移動させることもできる。この場合は当然、オンスクリーンパネルの下にあるアプリのメニューなどは操作できない。

オンスクリーンコントロールの設定画面。パネルのタイプが豊富だ

ペンで操作しやすい大きなボタン、機能が表示されるなど、初心者向けや、定形業務で使いやすい機能であると感じた。ひとつ残念なのは、このオンスクリーンを表示させるのはExpressKeyのボタンからしかできない点。タッチ機能やペンのボタンから呼び出せれば、より有効に利用できるだろう。ソフトウェア的な機能なので、将来的な改良に期待したい。