逆説的だが、いまそこにある金融危機や各国の実体経済の悪化が先行き不透明であるうちは、ドルが売られにくく金や原油は買われにくい。しかし、先行き不透明な状況というのはいつまでも続かない。実際、米国をはじめ欧州などの国々では、かつてないほどに大掛かりな対策を次々と打ち出している。特に米国の金融緩和や景気対策は史上最高レベルに達しようとしており、いずれ必ず実体経済が立ち直ると同時に、再びバブルも醸成される。危機に対抗すべくドルが世界中にばら撒かれるという構図は「いつか来た道」。そう遠くない将来、また再び現れる過剰流動性( =カネ余り)が金や原油の価格を押し上げ、世界にインフレの種をばら撒くこととなる。これは、言わば「資本主義の宿命」なのだ。
そのことを既に予見している世界の投資家や年金基金などは、いま中長期的な視点でニューヨーク市場やロンドン市場に上場する金ETF を買い漁っている。国際商品価格が全般に棒下げしているなか、金価格の下値が比較的限られているのはそのためだ。当面は「消去法」による円買いが進むものと見られるが、いずれ欧米景気が回復の兆しを見せ始めたとき、あらためて円売りの動きが強まる可能性は高い。金や原油を始めとする国際商品価格が再び上昇し、加えて円安傾向が強まったら日本は「ダブル」のインフレ圧力を受ける。そのような事態に対抗し得る手段として最も有力なのが金投資であり、数ある投資商品のなかでも保管上のリスク抜きで、なおかつ小口から挑戦できるのが「金ETF」なのだ。
NY金とユーロ/ドルの価格推移は似通っている。これは、金価格の上昇過程ではドルが売られ(ユーロが買われ)、逆に金価格の下落過程ではドルが買われている(ユーロが売られている)ことを示している。そこには、金価格とドルの逆相関の関係が認められる。



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