リスクをとらない、リスクを考える。

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BRICsの急成長とその背景から学ぶ投資の醍醐味(2/3)

サブプライム問題から発した世界経済の崩落は今も続く。10年後の自分のために、今何ができるのか? ̶それは投資をして知識を蓄積すること。
田嶋智太郎 = 文 text:TOMOTARO TAJIMA

BRICsの急成長とその背景から学ぶ投資の醍醐味(2/3)

 もちろん、BRICs4カ国の中長期的な成長はまだまだ続く......。

中国株、インド株下落の理由

 2008年上半期に中国やインドの株価が大幅に下落したのは、2007年に両国の株価が期待先行で異常に高い水準まで買い上げられていたことが一因であり、昨今は「その反動で調整安を強いられているに過ぎない」と見るべきであろう。もちろん、インフレ圧力の高まりで各国当局が金融引き締め姿勢を強めていることは事実だが、これも度が過ぎたペースでの「あまり好ましくない成長」を抑制し、より「健全な成長」を継続するためには、むしろ必要な措置ということができる。

 いずれにしても、最近は4カ国に共通して個人消費の伸びが非常に高い。例えば、中国の5月の小売売上高は前年同月比で21% もの伸びを示している。これは非常に頼もしいことではあるが、同時に悩ましいインフレの抑制をより困難なものとする一因にもなり得るので、多少の引き締めは必要であろう。

 また、中国とインドの行方に暗雲を漂わせている原油価格の高騰もいずれ落ち着くものと見られる。先進主要国の景況感の悪化で原油需要が低下することも価格調整の一因になるであろうし、米国で金融問題が一定の落ち着きを見せれば、ドルに見直し買いが入って原油が売られる可能性も大だ。

いまはBRICsファンドを購入する絶好のタイミング

 ともあれ、資源国と非資源国で構成されるBRICsの全体の成長に期待し、中長期的な投資成果を得たいと考えるのであれば、各国固有のリスクを軽減するために、投資資金を4カ国に分散する投信の活用がより有効であろうと思われる。事実、2008年上半期に「中国株ファンド」の類や「インド株ファンド」の類を個別に保有していた投資家は、かなり肝を冷やすこととなったはずである。その点、4カ国に適正に投資資金を配分するタイプの「BRICsファンド」はブラジルとロシアの株価が上昇したため、ある程度の基準価額の調整で済んでおり、過去1年の騰落率で見れば概ねプラスの結果となっている。今後、中国とインドの株価が調整一巡から買い戻されることとなれば、BRICsファンドの基準価額は一気に出直り歩調を強めることになるだろう。その意味で、いまは「押し目待ちに押し目なし」であったBRICsファンドを購入する絶好のタイミングと言えるのかもしれない。

田嶋智太郎(たじま・ともたろう)
田嶋智太郎 たじま・ともたろう

経済ジャーナリスト。証券会社勤務を経て、現職。株式・外為・国際商品市場に通じ、関連書籍や連載、講演、テレビ&ラジオ出演と幅広く活躍。著書に「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など。

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