誰しも他人の目はとても気になるものです。自分を“できるビジネスパーソン”に見せたいという願望に駆られるときもあるでしょう。しかし、何事も行き過ぎはマイナスです。相手に「本当かなあ」と疑われるような話ぶりは、あなたへの信用すら失いかねません。
自己アピールをするときは、注意が肝心。言いたい気持ちを少し抑え気味にして話を進めるのが得策です。今回は、自分をスマートにアピールしながらも、信頼度を勝ち取る方法を伝授したいと思います。
●自分の成功談は具体的に話そう
面接のときに、自分が成功させたプロジェクトについて聞かれる機会は多いと思います。
これは、ある面接での出来事です。20代後半の転職希望者にご自身の成功事例を聞いたことがあります。すると、彼はいきなりこう切り出しました。「私は100億円のプロジェクトを成功させました」。100億円といえば驚くほどのビッグプロジェクトです。しかし、そのとき僕が感じたのは、『そんな言い方だと、いかにも自分がリーダーとなって成功させたように聞こえてしまうけど……、本当にそうなのかなあ』ということ。
よくよく話を聞いてみると、一人で成功させたわけでも、中心的な役回りを担っていたわけでもありませんでした。プロジェクトを推進するにあたって的確な指示を出していた上司(リーダー)もいれば、一緒に頑張った先輩、同僚や部下も大勢いたのです。
では、このような成功事例を面接でアピールするにはどうすれば良かったのでしょう? この場合なら、プロジェクトで自分は何を担当したか、どういうプロセスで経て、どんな成果を挙げたかを、実例を挙げながら話すことです。それならあなたの役割が第三者からもよく理解できます。
その際に、以下の二点についてご注意ください。
一つは、『簡潔に話すこと』。話が延々と続くと、アピールが自慢話に聞こえてしまいます。
さらに、『相手からの質問を待つこと』。事実を端的に話した後には、相手からの質問を待ってみましょう。面接官から「どんな点に苦労しましたか」などの質問が引き出せると、相手の興味を持ったポイントが明らかになり、さらに会話が弾むでしょう。
●「理想」と「現実」をきちんと整理して話そう
相手から信頼のおける人と思われるためには、こんなところにも注意してみてください。それは、「現実」と「理想」をごちゃ混ぜにしないということです。
たとえば、
転職希望者 「●●という問題を抱えている企業には、△△という方法を用いれば問題が解決できます」
面接官 「そのような成功事例をお持ちなのでしょうか?」
転職希望者 「いえ、まだ実証していませんが、このような問題が起こったら、僕はこうして解決を図りたいと思っています」
これは、どうでしょう?これでは、アピールするどころか中身のない人と思われてしまいそうです。
もちろん、自分がなりたいビジネスマン像や、どんなプロジェクトを成功させたいかなど、夢を語るのはOK。ただ、「今、自分にできるのはこの程度だけど、将来的にはこうなりたい」と、現実と理想を明確に線引きすること。境界線をあやふやにしては、面接官も戸惑ってしまいます。
●外資系企業では少しオーバーにアピールする必要も
ここまで、自分を実像より大きくアピールする必要はないと話してきましたが、例外もあります。それは、外資系企業への転職を希望している場合です。
外資系企業では、どれだけ自分を高く売り込めるかが決め手。希望給与なども、高めに伝えて大丈夫です。実際、現職と同額の給与を希望し、「転職してまで同じ給与なんて、よっぽど自分に自信がないのだろう」と思われた人もいました。
ただ、外資系であっても、企業によってどこまでアピールしてもいいかなど、微妙なさじ加減が必要な場合もあります。自分で判断できない場合は、人材紹介会社などに登録し専門家のアドバイスに耳を傾けるのも一つの方法です。
とにかく、面接では「志望動機」、「自分の強み」、「今までの実績」、「今後の目標」が一貫していることが最低条件。面接の場では、ロジカルな受け答え、スマートな対応で、信頼できる人物としての高い評価を勝ち取ってください。