今日の
ライター:
根岸達朗
根岸達朗
子どものころはしょっちゅう「たんこぶ」を作って泣いていたものですが、大人になるとその言葉自体あまり聞かなくなっているような気もします。頭をあまりぶつけなくなったということもあるのかもしれないけれど、そもそも「たんこぶ」自体ができにくくなっているのでは? 済生会今治病院・副院長(脳神経外科)の白石俊隆先生にお聞きしました。
―大人で「たんこぶ」を作っている人をあまり見ないと思うのですが、何が原因ですか?
白石先生「子どもの皮下組織の方が、柔軟でのびやすいことと関係があるように思います。大人のほうがたんこぶ(頭皮の皮下血腫)はできにくいのではないでしょうか」
―なるほど。子どもは柔らかくて、大人はカタいというと、頭皮のことだけじゃないような気もしてきます。そもそもの話、たんこぶってなんでできるんですか?
白石先生「頭皮下の血管が切れて、皮下組織に出血することによって生じるのです。これ自体で問題になることはありません」
―うーん……。問題ないとはいっても、たんこぶができるのは頭なのでちょっと心配ですね。もし大人になって、どこかに頭をぶつけてたんこぶを作ってしまったら、どう対処したらいいのでしょうか?
白石先生「通常は皮膚が切れてほかに出血が起こっている状態ではないでしょうから、意識障害を伴っていたり、何らかの自覚症状や神経学的所見(目が見えにくいとか、頭痛が収まらないとか、嘔吐が収まらないとか、手足のしびれがあるなど)が認められるようであれば、早めに脳神経外科を受診することが賢明でしょう」
―具体的にはどんな病名が考えられますか?
白石先生「急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、脳挫傷などでしょう。ご高齢の方では、慢性硬膜下血腫といった、軽い頭部の打撲でも頭蓋内に血腫を作り、症状を出すこともあります。たんこぶ(皮下血腫)があろうとなかろうと、上述のような、症状や所見があるような時には、その程度にかかわらず脳神経外科を受診する方が良いでしょう」
―ありがとうございました。頭にとどめておきます。
……いやはや、ひと言に「たんこぶ」とはいっても、あなどれないことがわかりました。そうそう「こぶ」といえば「コブス横丁」も「こぶ」の仲間。それだけに……と展開したいところですが、ここからのいいまとめが思いつかないあたりが、やっぱり大人の頭のカタさですね……。
(根岸達朗/プレスラボ)
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