今日の
ライター:
根岸達朗
根岸達朗
アイデアをポンポン出せる人っています。すごいですよね。僕もそうなりたいと思いつつも、なかなかうまくいかないです。漫画で言うと、吹き出しの中身が文字にならない文字でぐちゃぐちゃと塗りつぶされているような状態とでもいうんでしょうか。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、とにかく生まれないんですよね、いいアイデアが。
そこで今回、僕だけに限らず、さまざまなビジネスシーンでアイデア出しに悩むコブス読者のために、ちょっとした秘訣を伺ってきました。お話して下さったのは、数々の国際的広告祭で審査員を務め、今年4月には著書『アイデアの出し方』を出版されたアイデア・クリエイターのボブ田中さんです。
ボブさん:まあ、落ち着いてください(笑)。僕もブログを書いたり、雑誌に文章を寄稿したりと、ネタを集めなくちゃならないことは多いのでわかります。ただ、テーマのジャンルが広いと逆にアイデアって出にくいんですよね。たとえば「食べもの」というテーマよりは「スナック菓子」の方がアイデアは生まれやすい。狭ければ狭いほど、自分の発想にはエッジが立ちますから、人と違った視点にも気付くチャンスが生まれます。
―たしかに、例えば「ビジネス」という大きなテーマで考えるよりは、「ネクタイ」とか「社内恋愛」とか小さなテーマに絞って考えた方がネタ出しはしやすいかもしれません(個人的にはですが)。参考になります!
ボブさん:さらに自分が定めたテーマについて、常に何かを考えながら行動していれば、自然とおもしろいものが集まってくる状況になります。普段見ているブログや新聞だって、そのテーマに沿ったものを自然に覗くようになるし、吸収していくようにもなる。つまり、自分の頭の中を磁石にするんですよね。そうなってくれば、あとは集まったものの中からおもしろいものを拾い出したり、あるいは組み合わせたりしてアイデアを作り出すだけです。広告代理店のジェームス・W・ヤングという方の著書に『アイデアの作り方』という有名な本がありますが、そこでも「アイデアは既存の要素の組合わせ以外の何ものでもない」ということが語られています。
―読んでみます。でも、組合わせの手法がむずかしいんじゃないでしょうか? なにかこうしたら組合わせは簡単にできるということなどあれば教えていただきたいのですが……。
ボブさん:そうですね、僕がよくやっていることのひとつに「カラーバス」というアイデア発想法があります。たとえば朝のテレビ番組を見ていると、「今日のラッキーカラーは○○です」というような占いコーナーがあるじゃないですか。
―ありますね。つい見てしまいます。
ボブさん:そこでその日のラッキカラーが「青」だったとしますよね。そうしたら家を出て、駅に行くまでの数分間に「青いもの」を探しつつ、それを自分が今課題にしていることと組合わせてみてください。たとえば、青いものが自動販売機だったとします。その時、根岸さんはビジネスシーンでまさに新しい傘を作ろうと思っていたとします。あ、青い自動販売機だ、ジュースが売ってるよなぁ、無人で売ってるよなぁ、売るよなぁ、うーん……あ、自動販売機で売られる傘っていいんじゃないかな? というところに考えが及べば、どうでしょう。そこでひとつの組み合わせが成立しましたよね。
―おおーたしかに繋がりましたね!
ボブさん:自分の視点だけだとなかなか入ってこないものを取り入れるアイデア発想法のひとつです。ちょっとした時間でも簡単にできることなので、興味のある方は通勤時間に試してみるのもいいですよ。
ありがとうございました! 早速ですが、コブスネタに悩む僕もカラーバスを実践。ちょうど今日のラッキカラーは「黄色」だったので、黄色はないかと身の回りを探してみたところ、一番最初に目についたのは我らが「コブスくん」の御姿。うん、彼の頭は黄色い。どこからどうみても黄色い。これか。
頭と、黄色と、コブスくん……、頭に、黄色に、コブス君……、頭で、鼓舞す……、頭を鼓舞す、……頭を鼓舞して考えろ。
「頭を鼓舞して考えろ!?」
ふいにコブスくんにそんなことを言われた気がしました。僕はなにも言い返すことができませんでした。いつか見てろよと思ったけれど、それはいったいいつなんだろうとも思いました。コブスくんの笑顔は、世の中の厳しさを象徴しているようでもあり、とくになにも考えてない感じでもありました。僕はどこか虚無感に似た感情を抱きながら、妄想から紙一重の先にあるであろうアイデアの宝庫に想いを馳せるのでした。
(根岸達朗/プレスラボ)
※文学的な終わり方ですね(編集部梅田)
【関連リンク】
Wow アイディア ボブ田中公式サイト アイディアの法則
アイデア・クリエイター、ボブ田中さんのウェブサイトです。大手広告代理店勤務の傍ら、数々の国際的広告祭の審査員や大学教授も務めらています。サイト内のブログでは「アイディアが止まらなくなる1分講座」も。気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょう
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