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根岸達朗根岸達朗

盗まれた自転車も、撤去費用を払わなきゃいけない!?

ある日突然、自宅のポストに自転車の「返還通知」のハガキが届いたのですが、これがまったく身に覚えがないのです。どこかの路上にとどめていて撤去されたという記憶もないし、そもそも自転車は自宅の駐輪場にしばらく止めたままのはず。おかしいなあと思って、自宅の駐輪場を確認してみたところ、私の自転車はなぜかそこにはなかったと。じゃあどこいったんだと。答えはひとつ、盗難ですよね……。

何にせよ見つかったので良かったじゃんってことで、この話が終わるかというとそうではなく、問題はこの「返還通知」の文面にありました。「3000円の撤去費用を徴収」……ってどういうこと? 知らない間に盗まれて撤去されたものなのに、被害者はその費用を支払わなければならないの? まずは世田谷区の自転車コールセンターに電話をしてみました。


――すみません、盗まれた自転車なんですけど、費用の方は支払わなくてはいけませんか?

「盗難届の方は出されていますか?」

――いえ、まだ。先ほど(盗まれたことに)気付いたもので。

「ハガキの裏面を読んでいただけるとお分かりになるかと思いますが、盗難の被害届の提出日が撤去日以降の場合は費用をお支払いいただくことになります」

――え、そうなんですか?(もう一度読み返す)……あぁ、確かに書いてありますね。でも、盗まれたことにすら気付かなかったし、ちょっとそれって。

「申し訳ないのですが、条例で定められていますので」

うーん……。いくら条例とはいっても、被害を受けた側としてはなんとなく納得がいかないですね。そこでさらに世田谷区の交通安全自転車課の方にも問い合わせてみました。

「確かに被害届の提出が遅かったからといって被害者の方から費用を徴収しなければならないというのは心苦しくもあり、合理性に欠ける部分であるということも認識しています。ただこの制度を悪用して、たとえば盗まれた自転車でもないのに『盗まれたものだ』と主張して、撤去費用の徴収を免れようとする人も出てくることも考えられるわけでして、条例というのはそういった部分も加味して、折衷案的に定められております。今回は申し訳ないのですが、ご納得いただきたいです」

――えーどうにかならないんでしょうか?

「もしこれから警察に被害届を出されるのであれば、撤去日以前に盗難被害を受けたということを立証していただけなければ、区としても対応は難しいです」

――そうですか(立証なんてできないしなあ)……。でもこうしたケースで私のように陳情される方も中にはいらっしゃるような気がしますので、いつかなんとかしてもらいたいと思います。

「そうですね、区としてもできる限りの対策は進めていきたいと考えています。こと盗難自転車に関して、最近はマンションの駐輪場に止めてあっても被害に遭ってしまうといったケースがあるようなので、防犯には特に個人の意識レベルでも気をつけていただきたく、そうした呼びかけも随時行っています。被害を完全に無くすというのは難しい部分ではありますが、区としても現状が少しでも改善されるよう努めて参りますので、みなさまもどうかご協力いただけると幸いです」

分かりました、ありがとうございました。その後、こうした盗難自転車を含む全体の撤去数についてもお話をお聞きしましたが、世田谷区は東京23区の中では最も多く、平成20年度は約73000台にもなったそうです。世田谷区だけでこれなんですから、全国で計算したらすごいことになりそうだ……なんて、折り重なった自転車の山を想像しながら、私はとぼとぼと歩いて保管場所に向かったのでした。なけなしの3000円を握りしめて。

(根岸達朗/プレスラボ)

【関連リンク】

建設中の首都高ジャンクション見学!
自転車より自動車が気になるといういう方へ、建設中のジャンクションをご覧ください

Wikipedia:放置自転車
でもやっぱり自転車が気になるという方へ、ウィキペディアは詳しいです

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