今日の
ライター:
北澤和泉
北澤和泉
近年、ニュース等で「ハケン」という言葉をよく聞くようになりましたよね。ニュースで取り上げられる派遣社員とは、給料も安く、正社員と比べてリストラも多いイメージがあります。
ただ、確かテレビドラマで、篠原涼子さんが優秀な派遣スタッフとして働いていたものがあったり(「ハケンの品格」でしたっけ?)、世の中には、正社員じゃなくても勝ち組な人も多いと思います。今回は派遣によく似ているけれど、ちょっと違う働き方「委任」社員について、IT系人材紹介会社勤務、SE のAさん(28歳)に教えてもらってきました。
――正社員ではなく、派遣でもない“委任”ってどういう働き方ですか?
「正社員は自分が働いている会社から給料をもらいますが、派遣スタッフや委任スタッフは給料をもらう会社と実際に働く職場が違います。では、派遣と委任の違いですが、派遣は文字通り派遣先の職場に派遣されて職場の一員として働きますが、委任は、作業の指示や命令を派遣元からもらいます。つまり、職場には上司は居ません」
ちょっと話が難しくなってきましたが、Aさんに説明してもらった派遣と委任の違いを簡単にまとめると以下のようです。
■派遣スタッフ…派遣元から派遣先に文字通り派遣される。仕事は派遣先の上司に従う
■委任スタッフ…派遣元から派遣先に派遣されるが、仕事の指示は派遣元の上司に従う
――率直に言って、派遣と違うメリットってなんですかね?
「仕事の指示を出す会社と給料を決める会社が別々になっている派遣は、冷遇されるケースが多いですが、自分の給料を決める上司が自分の会社の人なので安心感があります。ただ、実際手を動かして働いているときは委任も派遣もほとんど変わらないですから、よく派遣社員と間違われますけどね」
――今働いている職場の正社員になりたいと思うことはないのですか?
「職場にもよりますね。僕の場合今は、職場の正社員さんよりもちょっと高めのお給料をもらっています。だから、自分の会社に勤務し続けたいですね。それに、僕は飽きっぽい性格なので、いろいろな職場を転々とできるほうが性に合ってるんです。」
――でも、職場を転々とするのは大変でしょう?
「確かに楽とは言えないです。ただ、20代のうちにいろいろな会社で経験を積めば、30代になったときの経験値が高まると思っているんです。経験を積んで腕が上がれば給料も高くなるし、面白い職場に行けますしね。たまに、福利厚生の充実している昔ながらの会社が職場だったりすると、安定していてうらやましいと思うときもあります」
――お仕事の内容は正社員や派遣社員とは違いますか?
「その時々の職場で不足している仕事をするって感じです。でも誰でもできる仕事をしているわけではないのが派遣社員とは違います。ここがちょっと良いお給料をもらえる秘訣かな」
――具体的にはどんな仕事ですか?
「今はPM(プロジェクトマネージャ)として職場のプロジェクトを管理する仕事をしています。職場の正社員の人達の意見をまとめたり、スケジュール表を作ったり。派遣社員の人と協力して作業することもあります。前の職場ではSE(システムエンジニア)としてシステムの管理や制作をしていたときもありました」
――どうやって“委任”契約になったんですか?
「現在はSEの特種技能があって、それで委任契約を結んでいますが、入社するときはITの知識なんてなかったです。ただ、当時はITバブルで、無料で研修もしてもらえるし、未経験でもOKということだったので挑戦してみました。いろいろな職場を見て思ったのは、その職場の人達はその職場のことしか知らないことが多い。だからちょっとでも違うことを知っている委任の僕らがいるとすごく重宝してもらえるみたいです。その経験を積み重ねていろいろ身につけて成長してきたと思います」
――貴重なお話をありがとうございました。
委任契約で働くAさんは、何もないところから身につけた専門性を常にバージョンアップすることで立場を維持しているのかな、と思いました。不景気な最近だからこそ、“自分の未来を怖がらずに切り開く勇気”って 大事かもしれませんね。
(北澤和泉/プレスラボ)
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