セイコーエプソンは、多品種少量やJIT(Just In Time)生産が要求される自動車部品分野などをターゲットとし、生産現場の自動化領域を拡大できる自律型双腕ロボットを商品化し、「WorkSense(ワークセンス)W-01」として今冬から発売すると発表した。

同製品は、一般的な産業用ロボットのように装置に組み込み、固定して作業を行うのではなく、必要な場所に機体を移動させ単独で人に代わって組み立てや搬送などの作業を行えるように開発されたもの。これにより、従来困難だった生産の自動化を実現するという。

「WorkSense W-01」

頭部には4つ、アームには2つのカメラを搭載しており、3次元空間上で対象物の位置・姿勢を認識するほか、対象物や障害物の配置が換わっても位置を把握することができる。また、2本のアームは力覚センサを搭載しており、人の手と同じように力をコントロールして対象物にダメージを与えることなく作業できる。アームの先には、さまざまな形状・大きさの対象物を「握る・つかむ・挟む」ことができる多目的ハンドを装備。人が使う道具や冶具をそのまま利用して作業することが可能だ。

さらに、3次元空間上での位置・姿勢認識が可能であるため、ロボットの設置場所を変更してもプログラムを変更させずに作業を開始でき、生産体制の変化にも柔軟に対応する。アームは7軸からなり、左右別々の作業を行うことができるため、部品をおさえながらネジを締めるなど、片腕だけではできない双椀による協調作業も可能だ。

なお、同製品は11月29日から12月2日まで開催される「2017国際ロボット展」にてデモンストレーションを実施する予定だという。