エアバスは現地時間の11月21日、エアバスA350-1000が欧州航空安全庁(EASA)および米連邦航空局(FAA)より型式証明を取得したことを発表した。型式証明を取得した同機はロールス・ロイス社製「Trent XWB-97」エンジンを搭載する。

エアバスA350-1000初号機は2017年末にカタール航空へ引渡しを予定している

型式証明はそれぞれEASAのトレバー・ウッズ型式ディレクターと、FAAのボブ・ブレネマン インターナショナル・セクション・マネージャーによって調印され、エアバスのシャルル・シャンピオン技術担当上席副社長に手渡された。

これまでに世界中の11社から169機の受注を獲得している

エアバスのファブリス・ブレジエ最高業務責任者兼民間航空機部門社長は、「EASAとFAAよりA350-1000の型式証明を初飛行から1年未満で取得したことは、エアバスと機体の製造、テストに携わった全ての人たちの素晴らしい功績です。A350-1000は、すでに運航している兄弟機のA350-900の成熟性による利点を持ち、それによって時間通りに比類ない性能を実現することができました。私たちは今年末に予定しているカタール航空への初号機の引き渡しを楽しみにしています」とコメントしている。

2017年3月には、カナダ・イカルイトの寒冷地にてA350-1000の地上・飛行試験を実施

A350-1000はおよそ1年にわたり、機体およびシステムにおいて設計限界を超える厳しい飛行テストプログラムを実施し、必要な全ての耐空要件を満たしたことによって型式証明取得に至った。ロールス・ロイスエンジンを搭載した3機のA350-1000テスト機は合計で1,600時間飛行。そのうち150時間は航空会社による実際の運航と同様の環境で飛行し、機体が商業運航を開始することが可能であることを実証した。

A350-1000はエアバスのワイドボディファミリーの最新機種で、A350-900とシステムが95%共通化され、同一タイプレーティングを備えている。胴体が延長され、A350-900より40人以上多くの乗客を運ぶことが可能。また、翼の後縁に改良を加え、6つのタイヤを取り付けたメインランディングギア、よりパワフルなロールス・ロイス社製Trent XWB-97エンジンを装備する。

A350-1000の概要

A350-1000はA350-900と同様に高い燃費効率性と快適な客室「Airspace」を備える。また、混雑した長距離路線にも最適な機体サイズの旅客機で、これまでに世界中の11社から169機の受注を獲得している。