三菱電機は、同社のAI技術「Maisart(マイサート)」を、産業用ロボットのアームを人の腕のように動作させる力覚制御に適用し、動作時間の短縮を実現する「AIを活用したロボットの力覚制御の高速化技術」を開発したと発表した。

AIを活用したロボット実験システム(はめあい作業)のイメージ図

Maisartは、組み立て作業時の速度をきめ細かく設定する指令パラメータ調整などに活用。これにより、多数の調整パラメータをロボットの動作結果に応じて短時間で自動的に調整できるようになった。また、人の腕のように柔軟に動作する力覚制御の動作に適用し、ロボットが対象物に加える力を抑制しながら高速な組み立て作業を実現。部品のはめあい作業では、短時間の学習で制御し、パラメータを高精度に決定することで、人手調整時に5.5秒だった動作時間を1.9秒に短縮し高速化を実現した。

さらに、従来力覚制御を高精度に実施するためには、動作前にロボットを一旦停止して力覚センサに発生するロボットの姿勢によって変化する重力など外部の影響を補正する必要があったが、同技術によってロボットを停止することなく、自動で高精度に力覚センサ出力を補正できるようになった。

同社は、今回の開発成果を搭載したデモシステムを11月29日~12月2日に東京ビッグサイトで開催される「2017国際ロボット展」に参考出展する予定だ。