国土が狭い日本は、割と集合住宅が多い。とりわけ、都心部は家賃が高い割に部屋が狭く、外国人から"ウサギ小屋"と揶揄さる事もあるとかないとか……。そこで今回は、在日外国人20名に、「会社から1時間の安くて広い家」と「会社から15分の高くて狭い家」のどちらがいいか選んでもらった。

Q.「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家」と、「会社から15分で着くが家賃が高くて狭い家」、どちらに住みたいですか?

会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家:15名
会社から15分で着くが家賃が高くて狭い家:5名

■会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家

  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家。遠くても運動にもなるから問題ないです」(シリア・30代後半・男性)
  • 「先の方を選びます。住みやすいアパートは最も大事なものの一つに違いありません」(スペイン・30代前半・男性)
  • 「私は広い方です。家を極楽にして仕事のことを忘れたいです」(アメリカ・30代前半・女性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家です。イタリアでは都会でも日本より全然広い部屋が普通なので、それに慣れていて、狭すぎる部屋だと生活できませんので」(イタリア・20代前半・女性)
  • 「遠くても安くて広い家がいいです。自分の家が心地よくて好きな家でないと嫌です」(フィリピン・30代後半・女性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家」(タイ・40代前半・男性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家が良い」(マレーシア・40代前半・男性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家」(インド・30代前半・男性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家」(ポーランド・30代前半・男性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家に住みます」(エジプト・30代前半・女性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家の方に住みたいです」(パラグアイ・50代・女性)
  • 「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家」(スペイン・40代前半・女性)
  • 「その前者を選びます」(ドイツ・30代前半・男性)
  • 「前者」(中国・20代前半・女性)
  • 「前者」(ハンガリー・30代後半・女性)
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■会社から15分で着くが家賃が高くて狭い家

  • 「どっちかと言えば、近いところの方を優先します。移動時間が短くなって、他のことに使うことができます」(カンボジア・20代前半・男性)
  • 「後者です。時間が大切です」(香港・20代後半・男性)
  • 「近いところに住みたい。時間のも価値もあるので、自分の時間を大事にしたいです。単なる、本当に狭すぎるんでしたら、最高、30分のところを見てみると思います。あと、駅との距離も見ます。電車の線によって違います。あと、自分が行きたい教会も探すので、それも含めて決めます」(オーストラリア・30代後半・女性)
  • 「会社から15分で着くが家賃が高くて狭い家」(ロシア・20代前半・男性)
  • 「会社から15分で着くが家賃が高くて狭い家です」(ペルー・40代前半・女性)

総評

コメントから、「会社から1時間かかるが家賃が安くて広い家」を選択した外国人は、通勤の苦労よりも"住み心地"を重視しての結論であることがわかった。対して、「会社から15分で着くが家賃が高くて狭い家」を選んだ人が重視したのは、"時間"。移動時間を最小限にすることで、「自分の時間を大事にしたい」「他のことに使うことができる」と考えてのことだった。

何を重視するかによって意見は分かれたが、そもそも、どの程度あれば広い家なのか、どのくらいなら近いと言えるのか、そして、いくらまでが安いのか、それを測る物差しは人それぞれ違うものだ。イタリアの女性が、「イタリアでは都会でも広い部屋が普通なので、狭すぎる部屋だと生活できません」と言い切っていたように、育った環境によって染みついた感覚は、そう簡単に変えられるものではないだろう。

慣れない日本企業で貯まった疲れを癒すための"我が家"。今回のアンケートでは、在日外国人の7割以上が"時間"よりも"住み心地"を重視する結果となった。