テクトロニクス社は11月14日(米国時間)、同社のミッドレンジ・オシロスコープ「5シリーズ MSO(ミクスド・シグナル・オシロスコープ)」に向けたパワー解析ソリューション、車載Ethernetテスト・ソリューション、シリアル・トリガ/デコード・ソリューションを含む複数のオプションを発表した。

同社は、今回のオプション提供プログラムを「Boxcar」と呼んでおり、その第一弾となる今回は「Boxcar #1」と銘打たれたものとなっている。

Boxcar #1で提供されるオプション機能の一覧

パワー測定/解析ソリューションとして提供される「5-PWR」は、5シリーズMSOの多チャンネル、12ビット分解能の性能をいかし、電源品質、高調波、スイッチング損失、SOA(Safe Operating Area:安全動作領域)など、さまざまな測定を含む、自動パワー測定を簡単に実現するもので、今回のオプションの中でももっとも同社がプッシュしたものとなっている。この背景について、TektronixでVice President & General Manager,Time Domein Business Unitを務めるChris Witt氏は、「さまざまな分野から電力測定に関する問い合わせが増えている」とし、「例えばモバイルデバイスでは、細かな電力制御をするために、多数のchを利用する必要が生じている。また、GaNやSiCといった次世代パワー半導体の実用化が進んできていることも、こうしたニーズの増加の後押しとなっている」と、さまざまな分野での電力関係の細やかな制御が求められていることを強調する。

パワー測定/解析ソリューションとして提供される「5-PWR」の概要

また、航空/宇宙分野に向けたオプションであるMIL-STD-1553、ARINC 429など、航空宇宙業界で一般的なシリアル・バスのシリアル・トリガ/デコード・ソリューション「5-SRAERO」や、IEEE P802.3bw(100BASE-T1)とBroadR-Reach V3.2の仕様に対する自動コンプライアンスをサポートする自動車用Ethernetソリューション「5-CMAUTOEN」などもラインアップされている。

さらに、すでに提供されている自動車業界の主要なバスのシリアル・トリガ/解析が可能な「5-SRAUTO」にはCAN FD対応のアップグレードなどが実施されたほか、軍事/政府レベルの完全データ削除まで含めたセキュリティオプションや、Windows 10対応なども含まれているという。

「5-SRAUTO」で対応したCAN FDのシリアル・トリガ/解析

なお、価格はオプションによって異なるが、一例として、5-PWRが29万5000円(税別)、5-SRAEROが23万7000円(税別)、5-SRAUTOが23万7000円(税別)となっている。