女優の内山理名(36)が15日、東京・渋谷のNHKで行われたドラマ10『マチ工場のオンナ』(11月24日スタート毎週金曜22:00~22:49/NHK総合・全国放送・全7回)試写会後の会見に出席し、亡き父との思い出を語った。

女優の内山理名

内山演じる32歳の専業主婦・有元光は、夫・大(永井大)と息子の3人で暮らしていたある日、過労で倒れた父・泰造(舘ひろし)がガンで余命4日であると医師から告げられる。父に反抗していた光だったが、"父の背中"を振り返りながら現実と向き合い、町工場の社長を継ぐと決意する。

第1話のタイトルは「大嫌いなお父さん」。光は、幼くして亡くなった兄の代わりに父から男の子のように育てられ、跡継ぎを強いる父に反発。余命宣告からの葛藤、最期を迎える父との涙ながらのやりとりなど、内山の熱のこもった演技が第1話の柱となっている。

役柄との共通する部分について聞かれた内山は、「実は小さい頃、父親のことをそんなに好きではなかったんですよね」と告白。舘演じる泰造と父が似ているそうで、「私も、父が亡くなってから父のことを知ることが多くて。それからすごく大好きになっていって」と胸の内を明かしながら、「光は父親のことを大好きでしょうがなくて。大嫌いって言うほど、好きなのかなと思います」と感慨深げに語った。

第1話では、ある物が親子の思いをつなぐ。「あれが実は重なりまして。亡くなった後だったんですけど、私のテレホンカードとかカードがお財布の中にたくさん入ってたんですよね。それを亡くなってから知って」と内山。それまでは、「私のこと、あまり好きじゃなかったのかなとか、作品を観てないのかな」と思い込んでいたという。

「亡くなってからすごい知ることがありました。この物語と重なってつらかったんですけど、もっと早くに『ありがとう』とか言っておけばよかった」と後悔を噛み締めながら、「この物語を大切に大切に。お父さんは亡くなりましたが『ここに必ずいる』と思いながら演じています」と本作へのあふれ出る思いを語っていた。

この日は内山のほか、永井大、柳沢慎吾、竹中直人、舘ひろし、吉永証チーフプロデューサー(NHK名古屋放送局制作部)が出席した。

左から柳沢慎吾、竹中直人、内山理名、舘ひろし、永井大