英Armは、ディスプレイ・プロセッサ「Mali-D71」、システムIP「CoreLink MMU-600」、ディスプレイ管理コア「Assertive Display 5」によって構成される統合型ディスプレイ・ソリューション「Arm Display Solution」を発表した。

3つの要素で構成される統合型ディスプレイ・ソリューション「Arm Display Solution」

ユーザーがスマートフォンで目にするコンテンツはますます複雑になっており、あらゆる環境で快適な視聴体験を実現する必要に迫られ、VRゲームやHDR動画などのコンテンツを表示するディスプレイの品質は、優れたユーザー体験を実現する上で不可欠となっている。

今回、Armが発表した「Arm Display Solution」は、ユーザー体験とデバイスのパフォーマンス向上を統合型アプローチで実現する、VRヘッドセット・HDR・マルチウィンドウに最適なディスプレイ・ソリューション。

同社は2016年にMali-DP650をリリースしたほか、Apical社の買収によってAssertive Displayを製品ポートフォリオに追加した。VR、HDR、マルチウィンドウに対する新たなアプローチが必要となった結果、新たなアーキテクチャ「Komeda」を開発した。同社が今回発表した統合型ソリューションは、Komedaアーキテクチャを基礎として、Mali-D71、CoreLink MMU-600、Assertive Display 5によって構成される。

VRヘッドセット・HDR・マルチウィンドウに最適

Mali-D71は、システムの消費電力を30%削減したほか、面積効率が2倍、レイテンシーの許容値が4倍、ピクセル・スループットは2倍というパフォーマンスを実現している。また、Corelink MMU-600とMali-D71との組み合わせにより、統合ソリューションでは55%の省面積化が可能となっているほか、MMUのレイテンシーをリアルタイム・パスから隠すことで、レイテンシーを50%改善されている。

さらに、Assertive Display 5では、従来技術である太陽光下での高い視認性を基盤とし、ディスプレイ処理のパイプラインにHDR制御を組み込み、色彩・色域制御機能を向上させ、さらに省電力機能を向上させるのが特長。これにより、HDRコンテンツ(HDR10またはHLG)を、ダイナミックレンジや色域に関わらずあらゆる特性のディスプレイに提供できるため、SDRディスプレイでもHDR体験が楽しめる。

同社によれば、Arm Display Solutionの登場により、ディスプレイIPは今後、ユーザー体験の向上、消費電力の削減、バッテリー駆動時間の延長を実現し、デバイスメーカーに真の競合優位性をもたらすとしている。