NTTコムウェアは11月1日、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が産業分野向けに提供してるコンバージドIoTシステム「HPE Edgeline EL1000」に、NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector」をプリインストールし、さらに最適化を図ったAIプラットフォーム「Deeptector」《産業用エッジAIパッケージ》の販売を開始したと発表した。

これまでNTTコムウェアは、2017年3月1日より「Deep Learning 画像認識プラットフォーム」《インストール版》と、同6月30日より「Deep Learning 画像認識プラットフォーム」《クラウド版》をそれぞれ販売してきたが、ものづくりの現場における製品検査では、オンプレミスでの利用ニーズが高い一方、振動や温度変化といった、過酷な環境下での確実な動作が求められていた。今回の産業用AIパッケージは、こうしたニーズに対応したモデルであり、画像を社外に出すことなく、AIを活用した製品外観検査の自動化を実現することができるようになるという。

ソリューションの基本的な利用イメージと、パッケージの構成内容

パッケージの具体的な構成としては、Edgeline EL1000(Xeon D-1548 2.0GHz-2.6GHz×8コア。32GBメモリ+2TB SSD(ソフトウェアRAID構成))に、NVIDIAのTelsa P4を2枚搭載したほか、ソフトウェアとして「Deeptector」《インストール版》が搭載されている。

HPE Edgeline EL1000とNVIDIA Tesla P4

釘を使ったデモ。カメラで撮像し、学習データと比較することで、不良を検知することができる

また、今回同社は、従来の「Deep Learning 画像認識プラットフォーム」という名称から「Deeptector」へと名称を変更している。

より分かりやすい名称と、ということで、「Deeptector」という名称へと変更された

日本HPとNVIDIAを組み合わせたソリューションを選択した理由についてNTTコムウェアでは、コストパフォーマンスが良く、産業分野での活用といった両社の方向性も踏まえて判断したと説明している。

ハードウェアの性能やコストのみならず、ビジネスの方向性としてもHPEやNVIDIAが志向する方向と親和性が高く、協力関係を築きやすい状態にあったという

提供されるソフトウェアとしての機能は、意されたデータをもとに学習する「学習機能」、作成されたモデルを判定基準として実際に画像認識を行う「判定機能」、そして、画像の学習時に画像内のどの部分が検出したい箇所か、またその部分にはどのような分類名称を付けるかなどを指定して、認識モデルを作成する「認識モデル作成ツール」が含まれている。また、応用として、学習データをクラウドにおいて、HPCを活用してモデルを作成して、複数拠点などで活用するといったことも可能としている。

さらに、ユーザーの学習の支援に向けたコンサルティングサービスの提供なども提供していくとも説明している。

なお、同ソリューションは、売り切りのほか、リース契約も用意しており、それであれば月額26万円程度と少額の投資からスタートすることが可能だという。

クラウドを活用して遠隔拠点での画像認識を実現することも可能