ネットアップは10月31日、同社の製品である「ONTAP」「OnCommand Insight(OCI)」「StorageGRID Webscale」の最新版を発表した。各製品の提供開始時期は、2017年第4四半期(10~12月)を予定している。

ONTAPは、データファブリック全体のパフォーマンスの向上、管理の簡素化、セキュリティの強化を実現し、最先端のストレージを実現するというデータ管理ソフトウェア。新バージョンである「ONTAP 9.3」の特徴は、パフォーマンスの強化、効率性の向上とコストの削減、セキュリティとコンプライアンスの強化の3点。

パフォーマンスの強化に関しては、アダプティブQoS機能によってパフォーマンス保証が容易に可能になるとのこと。同機能の利用により、QoSポリシーの効率的な適用によるシンプルなセットアップが可能になると同時に、ワークロードの変化に合わせてQoSレベルを自動で調整できる。また、同製品はソフトウェアの最適化とパスの並列化によりIOPSの向上とレイテンシの低減を実現しており、従来バージョンと比較してパフォーマンスを40%向上したという。

効率性の向上とコスト削減については、重複排除機能の最適化により、キャパシティ効率が30%向上したという。さらに、データ効率性の最適化により、新たに「NetAppオールフラッシュ保証プログラム」の適用を可能としている。同プログラムは、ワークロードごとのキャパシティ削減量を保証し、達成できない場合は容量の不足分を同社が補填するものとなる。

セキュリティとコンプライアンスの強化に関しては、「NetApp Volume Encryption」に外部キー管理と多要素認証の機能を新たに追加し、セキュリティを強化するとともに、新たなコンプライアンス機能を提供する。また、訴訟関連の情報保全プロセス(legal hold)やイベント記録の保全(event based retention)などに必要となるコンプライアンスポリシーの適用も可能だという。

OCIの最新版では、クラウド関連コストのモニタリング機能を新たに搭載。これにより、ITインフラがオンプレミスにあるかクラウド上にあるかを問わず、組織のITインフラ全体を把握を可能としている。

新機能の特徴は「監視」「コントロール」「最適化」の3点。監視では、すべての部門・基幹業務・アプリケーションにわたり、クラウド関連コストを可視化。コントロールでは、組織全体でクラウド関連コストのコントロール・改善・ポリシーが適用できる。最適化では最もコスト効率に優れた価格体系を採用するベンダーを利用し、コストを削減するという。

StorageGRID Webscaleは、大規模な非構造化データを格納・管理することで、セキュリティとデータ保持性を持つ次世代オブジェクトストレージ。最新版のStorageGRID Webscale 11では、Amazon Web Services(AWS)との連携を強化し、ハイブリッドクラウド環境でのデータ移行やデータ管理を従来以上に簡素化したという。加えて、利用が進むサーバーレスコンピューティングに利用可能な新機能も搭載。

StorageGRID Webscaleの特徴は「ユーザーのメリット向上」と「効率性のさらなる強化」の2点。ユーザーのメリット向上については、AWSと緊密に連携できるため、AWSとの間でハイブリッドクラウド環境のデータ移行が容易だという。同製品に搭載している「CloudMirrorテクノロジー」の利用により、オンプレミスのデータをAmazon S3に瞬時にミラーリングできるとしている。

効率性の強化に関しては、Amazon Elastic MapReduce、Rekognition、Elasticsearchなどのデータサービス向けのアラート機能の利用により、サーバーレスコンピューティングの利用を可能としている。同機能は、オンプレミス環境のストレージでも利用できるという。