Web完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」を提供する弁護士ドットコムは10月30日、契約締結と契約にかかわる決済を同時に実行できる「クラウドサインペイメント」と、無料で利用できるAI法律相談サービス「交通事故過失割合Chatbot」をリリースすると発表した。

クラウドサインペイメントは、ユーザーがクラウドサインに契約書をアップロードし、用意されている決済タグに決済情報を入力後、契約締結することで契約の締結と決済を同時に実行できる。導入費用は無料(クラウドサインへの事前登録が必要)で、決済手段はクレジットカード(Visa、Mastercard)、手数料率は法人向け決済が2.0~2.45%、個人向け決済が2.7~3.15%となる。

「クラウドサインペイメント」の利用イメージ

新サービスの導入により、請求側は請求書作成、印刷、送付、入金確認、催促などが不要になり、支払側は振込作業が不要になるため、決済にかかる事務コストが削減されるほか、契約と同時にクレジットカードでの支払いが確定するため、回収リスクは解消されるという。

また、振込による代金回収よりも入金サイクルが早まり、決済手段はクレジットカード決済となるため、取引先の与信リスクが軽減されるとしている。利用シーンとしては請求書の発行および、それに伴う支払い業務をクラウドサインペイメントで一元化することなどを想定。将来的には、家賃、駐車場代、税理士・会計士への報酬など月額課金ビジネス全般での利用も検討している。

今後、クラウドサインとクラウドサインペイメントを発展させる形で、ブロックチェーン技術を用いて所有権移転などの契約の自動執行を可能とし、従来の書面による契約締結実務を効率化かつ安全に進める技術「スマートコントラクト・システム」の開発を検討していく方針だ。

事故の状況を整理し、過失割合を把握する「交通事故過失割合Chatbot」

一方、交通事故過失割合Chatbotは、人工知能関連技術やブロックチェーン技術などの最新技術の研究を行うリーガルテックラボが交通事故に遭った人がChatbot形式で事故当時の状況を整理することで、おおよその過失割合を無料で知ることができるという。

「交通事故過失割合Chatbot」の画面イメージ

交通事故における過失割合とは、交通事故の責任が加害者と被害者にそれぞれどの程度あるのかを数値化したもの。この数値は賠償額を左右するため交通事故の被害者は、適切な過失割合基準を知る必要があり、裁判において用いられる認定基準は書籍にまとめられているものの、一般人が読み解くのには時間を要するという。

新サービスは、交通事故に遭った人は自身のおおよその過失割合を把握した上で、弁護士に相談するなど対応方針を検討することを可能としている。

今後、リーガルテックラボは交通事故過失割合ChatbotのようなAI技術を活用した個人向け法務サービスや、「コグニティブ法務案件FAQ」(AI技術などを活用し「法務案件回答」および「契約内容審査」の自動化を実現することで、企業のバックオフィス業務を効率化を図るサービス)のようなAI技術を活用した企業向け法務サービス、スマートコントラクト・システムの3点をリーガルテック領域において研究開発を推進していく考えだ。