NTT(日本電信電話)が、日本の文化の魅力を届けるオールジャパンプロジェクト「beyond2020」プログラムとして開発を進めるイマーシブテレプレゼンス「Kirari!」。"あたかもその場にいるような"感覚を世界中のどこでも体感"できるという意欲的なプロジェクトは、別の空間で開催されている競技や講演をリアルタイムにあたかもその空間で行われているように見せるものだ。

YouTubeのNTT公式チャンネルには、R&Dフォーラム2016で紹介された動画も掲載されているが、4K映像の被写体を抽出し、同社も標準化に取り組む動画圧縮規格HEVCやAdvanced MMT(MPEG Media Transport)と呼ばれる伝送技術など最先端技術を駆使して臨場感を実現。2020年までに世界中の人々に臨場感ある競技を伝えるよう数多くの実証実験を行っている。

23日、同社と松竹はリアルとバーチャルが融合する世界初の歌舞伎、虚実共演伝送舞踊「京結夢現連獅子」(みやこむすびゆめのれんじし)を京都市中京区にある先斗町(ぽんとちょう)歌舞練場にて行うことを発表した。

虚実共演伝送舞踊「京結夢現連獅子」のイメージ(NTT資料より)

約1.5km離れた京都市東山区の宮川町歌舞伎練場で演ずる四代目中村橋之助さん、三代目中村福之助さん、四代目中村歌之助さんの映像をkirari!を使い、12月に襲名披露を行う八代目中村芝翫(しかん)さんが演ずる先斗町歌舞練場で融合する。

イベントは、京都市の大学生をはじめとする若者たちが「京都・和の文化体験の日」における「吉例顔見世興行連携イベント『はじめまして 歌舞伎』」内の特別企画として開催され、はじめて歌舞伎を鑑賞する人にもわかりやすい映像演出も組み合わせる。

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