米IC Insightsは、2016年に98あった研究開発や試作、ディスクリートのパワー半導体以外のIC製造向け300mmウェハ対応のファブの数は、2016年の98から2021年には25増の123になるとの予測結果を発表した。

すでに2017年に入って8つの300mmファブが生産を開始しているほか、2018年にも9つの300mmファブが稼働を開始する予定であり、いずれもがDRAMかNAND型フラッシュメモリ、もしくはファウンドリの工場となっている。

この結果、300mmウェハの全世界のICファブにおける比率は、2016年の63.6%から、2021年には71.2%に増加することとなる。また、200mmファブの生産能力も、毎年1.1%ずつ増えていくことが見込まれているが、300mmの生産能力の増加の方が大きいため、全体における200mmの生産能力の比率は減る方向となっている。

毎年12月時点の月間生産能力のウェハサイズごとの面積割合の推移(200mmウェハ換算)。グラフの一番下の数字は上段が西暦(年)と月(12月)、下段はその時点の月産能力(200mmウェハ換算)。青棒が450mm(0%なので表示なし)、茶色が300mm、紫色が200mm、薄水色が150mm以下 (出所:IC Insights)

なお、IC Insightsでは、300mmの生産能力が増えていっても、200mmウェハについても今後しばらくの間は延命すると見ている。なぜなら、必ずしもすべてのウェハが300mmウェハを使ったほうがコスト削減になるとは限らないからである。多くの種類 -例えば特定用途向けメモリやディスプレイドライバ、マイコン、RF、アナログ半導体といった- 半導体デバイスが、今後も200mmウェハを使ったほうが引き続き利益を上げられるとみられるほか、加速度センサや圧力センサ、アクチュエータといったMEMS技術を使った非IC製品の製造にも使われ続けることがそうした要因となっている。