データ・アプリケーション(DAL)は10月13日、JCA手順や全銀協標準通信プロトコルを用いた従来型EDIからインターネットEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)への移行を促進するためのソリューションとして、同社のACMSシリーズの最上位モデルであるエンタープライズデータ連携基盤「ACMS Apex」を核に、同シリーズの販売を強化すると発表した。

インターネット対応の全銀協標準通信プロトコルへの移行イメージ

今回の販売強化は、NTT東日本、NTT西日本が4月6日に発表した「固定電話網のIP網移行後のサービスおよび移行スケジュールについて」と、総務省が9月27日に発表した「固定電話網の円滑な移行の在り方について」の二次答申を受けたものとなる。

固定電話網からIP網への移行は2024年1月に開始し、2025年1月までに完了を予定していることに加え、INSネット(ISDN)ディジタル通信モードも2024年1月に終了予定となっている。これに伴い、NTT東西はメタルIP電話や補完策、代替案の施策を提示している。

しかし、これらの施策にはデータ伝送遅延などの課題もあることから、固定電話網を介してJCA手順や全銀協標準通信プロトコル(ベーシック手順・TCP/IP手順)を用いた従来型EDIは、2024年1月以降は利用に支障を来す可能性があるほか、INSネットディジタル通信モード利用の場合には使えなくなるという。これにより、企業は新たな手段としてインターネットEDIへの移行を余儀なくされると同社は指摘している。

こうした状況を受け、同社の既存製品である「ACMS E2X」または「ACMS B2Bバージョン3」「同バージョン4」を利用し保守契約を締結している顧客を対象に、同一モデル相当の「ACMS Apex」を半額で提供するキャンペーンを2018年3月末まで実施する。

ACMS B2Bのユーザー企業は、ACMS E2Xに一旦アップグレードすることで、同キャンペーンの適用が可能だという。なお、別途ライセンス費用の差額が発生するとしている。これを機にACMS Apexにバージョンアップすることにより、安全で高度なインターネットEDI環境の早期構築が可能になるという。

また、5月に発表した全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)を基にして開発したインターネット対応(暗号化方式としてTLSを利用)の全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順)を、ACMSシリーズ全6製品でサポート。

これにより、全銀協標通信プロトコルの仕様は維持しつつ、データ暗号化やサーバ/クライアント認証に対応させる既存アプリケーションの改修を最小限にとどめ、スムーズかつセキュアにインターネットEDIへの移行を実現するとしている。

一方、従来のACMSシリーズは企業の自社導入型の利用に加え、多くのEDIサービス(VANなど)事業者も導入している。ACMS Apexは、従来のACMSシリーズにはなかったテナント管理やデータ暗号化、高可用性、拡張性機能などを備え、EDIサービスやインターネットEDIの運用に最適な環境構築を可能にするという。