JR北海道は12日、「当社単独では維持することが困難な線区」に関して、地元自治体などへの説明状況などを公表した。

根室本線滝川~富良野間は輸送密度200人以上2,000人未満、富良野~新得間(東鹿越~新得間はバス代行輸送を実施)は輸送密度200人未満で、ともに「当社単独では維持することが困難な線区」とされている

同社は昨年11月に「当社単独では維持することが困難な線区」を公表。これにもとづき、「持続可能な交通体系のあり方」についてこれらの線区の沿線地域と「相談」を進める方針を示していた。

今回の発表によれば、「相談」の席では列車別の乗車人数や駅ごとの乗車人員、高校生の通学状況、通勤・通学定期の発売状況など、対象線区について詳細なデータを開示し、収支や今後20年間で発生する大規模修繕や更新の費用概算も公開したという。また、「地域の皆様のご質問に対して、あるデータはすべてお応えする」ことを徹底し、経営状況や経費の内訳など、追加のデータを提供してほしいとの要望にも応じている。

すでに線区廃止後に向けた協議が進みつつある石勝線新夕張~夕張間、日高本線鵡川~様似間を除く輸送密度200人未満の線区に関しては、「鉄道より他の交通機関が適しており、利便性・効率性の向上も期待できる」とJR北海道。「引き続きバス等への転換についてのご相談を継続し、ご理解いただけるよう努めてまいります」と、あくまでも線区廃止を前提にした「相談」を進める考えを強調した。

一方、輸送密度200人以上2,000人未満の「当社単独では老朽土木構造物の更新を含め『安全な鉄道サービス』を持続的に維持するための費用を確保できない線区」については、利用の少ない駅の廃止や列車の見直しによる経費節減、運賃値上げ、地元住民による利用促進策の3点について引き続き地域との協議を進めるとともに、上下分離方式の導入についても相談する考えを打ち出した。

また、鉄道輸送サービスを持続的に維持するためのコストを誰がどのように負担するかについて「地域の皆様をはじめ国や関係機関を含め、引き続きご相談申し上げたい」とし、JR北海道の応分の負担を前提としつつ、新たな枠組みで線区を維持する方法を模索したいとの考えを示している。