成田国際空港は10月12日、近年の訪日外国人の増加やLCCシェアの拡大に伴い利用者個々のニーズに合わせた新しい案内の形を実現するため、双方向型デジタルサイネージ「infotouch」を開発したと発表した。10月20日から出国審査前エリア、10月31日から出国審査後エリアに2台ずつ設置する。

infotouchの外観

新装置は、フライト/館内施設/交通アクセスなど利用者が必要とする多様な情報へ、画面タッチによる操作で直感的にアクセスできることをコンセプトに「情報に指で触れる」ような滑らかな操作性を実現したという。

新たに開発した「高精度屋内デジタルマップシステム」による目的地までのルート案内や、搭乗券のバーコードをスキャンしてカウンターや搭乗口までのナビゲーションを行う機能を搭載している。

また、日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・インドネシア語・タイ語・フランス語・スペイン語といった多言語対応のほか、音声言語自動判定・検索機能の実装、車椅子利用者でも利用しやすい画面のボタン配置やエレベータを利用した段差の少ないルート案内など、ユニバーサルデザインにも配慮した設計としている。

高精度屋内デジタルマップシステムを採用したトップ画面、交通アクセス画面、音声検索画面のイメージ

そのほか、同装置はテレビ電話、人感センサー、音声認識、プリンタ、搭乗券リーダー、モバイル転送の各機能を備える。テレビ電話では、案内スタッフとのテレビ電話による通話を可能とし、対応言語は日本語・英語・中国語・韓国語となる。

infotouchの各種機能

人感センサーにより、利用者がいない場合は筐体の機能紹介画像を表示し、人が近づくとトップ画面に自動で切り替わり、利用者の身長に応じて操作ボタン位置を自動で切り替えることができる。 音声認識では、利用者が発話した内容を認識しキーワード検索し、対応言語は日本語・英語・中国語・韓国語となる。プリンタでは、画面に表示した検索結果を印刷できる。

搭乗券のスキャンからフライト表示まで

搭乗券リーダーは、搭乗券のバーコードをかざすと便情報やカウンター、搭乗口までのルートを表示(航空券の仕様により認識しない場合がある)し、モバイル転送は検索結果をモバイル端末へ転送(運用開始当初は交通アクセス情報のみ対応予定)する。

出国審査前エリアの設置場所は、第1ターミナル中央ビル1階のビジター・サービスセンター内で10月20日から、出国審査後エリアの設置場所は第1ターミナル第5サテライトの3階で10月31日からそれぞれ運用開始する。いずれも運用時間は4時~翌1時。

設置場所

なお、同装置のシステム開発および筐体・画面デザインは日立製作所、日立システムズ、日立超LSIシステムズ、高精度屋内デジタルマップシステムの開発はNTTデータがそれぞれ担当した。