TrendForceのDRAMeXchange部門は、2017年に出荷されるサーバ用CPUの96%は、x86アーキテクチャを採用しており、ARMv8アーキテクチャの採用はわずか1%にとどまること、ならびにx86サーバのCPU市場では、Intelが出荷台数の99%を占めるとの予測を発表した。

DRAMeXchangeの調査アナリストであるMark Liu氏は、「x86アーキテクチャは、市場の標準となることでサーバの平均製造コストを下げるのに貢献している。x86 CPUコアの平均稼働率は約50%に達しているが、ソフトウェアの最適化により、稼働率は70%から80%に上昇する可能性がある。しかし、高性能コンピューティング向けのデータセンターでは、サーバプロセッサもより高い稼働率が要求される」と述べている。

主要なサーバODMは現在、CPUメーカーと緊密に協力してプロセッサの設計とハードウェアの統合の改善を進めることで、稼働率の向上を図っている。また、アクセラレータとしてFPGAを追加したり、GPUを導入することも少なくない。

主流のサーバ市場におけるx86アーキテクチャの製品の品ぞろえは豊富で、ハードウェアおよびソフトウェアのサポートも充実しているので、支配的かつ有利な立場にある。逆に、ARMアーキテクチャは、そのSoC製品が比較的小さい特定の顧客グループでしか採用されていないため、x86との競争上、不利となっている。また、ARMベースサーバの競争力は、サーバシステム全体と統合できるか否かにかかっており、今後とも、Intelのx86ベースの製品群が市場の主流になると予測され、2018年のx86サーバプロセッサの出荷台数シェアは少なくとも90%以上が維持されるとDRAMeXchangeでは見ている。

サーバ搭載GPUで圧倒的な存在感を示すNVIDIA

サーバ需要が、さらに強力なコンピューティング能力を備えたハイエンドサーバに集中するにつれ、CPUコアに加え、GPUの存在がますます重要になってきている。大規模なデータセンターのフロントエンドサーバが、膨大な計算能力を必要とする複数のタスクを並列で行う場合、その処理はGPUに依存することが増えてきている。

DRAMeXchangeの調査によると、2017年上半期における主流のサーバで使われているGPUの大部分は、NVIDIAであり、その世界出荷シェアは約70%と圧倒的な存在感を見せつけている。ハイエンドサーバ向けのNVIDIAの主な製品としては、Pascalアーキテクチャに基づいたものとなっており、主に大規模インターネットデータセンター向けに設計されたものとなっているという。

なお、DRAMeXchangeでは、データセンターが高密度コンピューティングの領域を含むように進展するにつれて、2018年には、より多くの高性能なコンピューティング(HPC)サーバでGPUが採用されると予測しており、GPUのグローバルなHPCサーバー市場への浸透率は2017年の3%から5%へと上昇するものと見ている。