ダッソー・システムズは9月28日、米エクサ・コーポレーション(以下、エクサ)を買収する最終的な合併契約に調印したことを発表した。

ダッソー・システムズが買収したエクサは、米マサチューセッツ州バーリントンを拠点とする、製品開発向けシミュレーションソフトウェアのグローバルイノベーター。

これによりダッソー・システムズの子会社は、合併契約の条件に基づき、10営業日以内に公開買い付けを開始し、エクサの普通株の全発行済み株式を1株あたり24.25 ドルで取得する。決済は公開買い付けの完了時に現金で行われる予定となっている。この総額はエクサの完全希薄化後の純資産額で約4億ドルに相当する。エクサの 2017年1月31日期の収益は7,200万ドル。

今回の買収により、ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」は、今回のエクサの追加により、格子ボルツマン法の新たな流体シミュレーション技術を備え、実績のある広範なポートフォリオとなり、ダッソー・システムズの顧客は工業製品に特化したエクサのソリューション群や、同社の約350人の経験豊富な解析専門家を活用できるようになる。

また、エクサのソフトウェアは、自動車・輸送機械・モビリティ業界、航空宇宙・防衛産業、天然資源産業など150社以上の大手企業のデザイナーやエンジニアにより、設計プロセス全体で高度に動的な流体流れを評価するために利用されている。同社によれば、自動車・輸送機械・モビリティ業界においては、ほぼすべてのメーカーが空力流れ、空力騒音、熱管理のシミュレーションに同ソリューションを利用していると説明している。

ダッソー・システムズの取締役会副会長兼最高経営責任者であるベルナール・シャーレス氏は、「ダッソー・システムズとエクサは、科学と産業に包括的に注力するという点に共通の価値を見出しています。この価値観は、製品、自然、生活の調和を保つために3DEXPERIENCE を提供していくという当社の取り組みの根幹でもあります。また、マルチフィジックスおよびマルチスケールのシミュレーション戦略においては、動的な流体流れのシミュレーションが重要です」と述べている。

一方、エクサの社長兼最高経営責任者であるStephen Remondi氏は、次のように述べている。「エクサでは、実証済みの格子ボルツマン・シミュレーション技術と、幅広い業界の専門家や技術者の知識を通して、高度な動的流れのシミュレーション市場を確実にリードしてきました」