20年前の1997年10月11日、総合格闘技イベント「PRIDE.1」で実現した「プロレスラー・高田延彦 VS 400戦無敗の格闘家ヒクソン・グレイシー」。両者をはじめ関係者に延べ50時間以上にわたってインタビュー取材した書籍『プライド』が、12月13日に発売される。

高田延彦(左)とヒクソン・グレイシー

取材に協力した高田は、「今回は、ヒクソン戦から20年ということで久々に過去の記憶を呼び起こしてみました」と説明。「日本の格闘技界の扉が開いた一戦と言って頂くこともありますが、正直、20年経った今でも『あの時試合をして良かった』……と思える日は一日もありません。未だに私の中では様々な思いを消化しきれていないのです」と今でも心の整理がついていないようだが、「ただ、今回この本を通して、私からの試合の申し入れをなぜあのヒクソンが受けてくれたのか? それも二回も。その真相が明らかになったことにより、私の心境にも少しずつ変化が訪れています」と前向きな気持ちを伝える。

そして、「1997年10月11日 ただただ強くなりたかった日本の少年と、地球の裏側ブラジルで強くなることが宿命とされ戦い続けることを背負った少年が交わった日。その日に向かって小さな奇跡が運命のように折り重なっていました」と回顧し、「私自身、その小さな奇跡がいくつもあったことをこの本で初めて知りました。20年前の10月11日、皆さんは誰と、どう過ごしていましたか? もしかしたらまだこの世に誕生していなかった人もいるかもしれません。ただ、今日という日があるのは様々な人・物・事との運命的な重なりによってあるのだと。この本を手に取って感じて頂けたらと思います」と本書に込めた思いを語る。

ノンフィクション作家・金子達仁氏が舞台裏に迫った本書(幻冬舎・四六判・ページ数未定・1,500円税別)。高田とヒクソン双方のインタビューをもとにした書籍は今回が初となる。世紀の一戦から20年。その真実が解き明かされる。