NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、横河電機、および横河ソリューションサービスと共同で、IoT/AI(人工知能)技術を連携させることで、製造業における生産技術の向上を目的にした高度EMS(エネルギー・マネジメント・システム)の構築に関する実証実験を、2017年10月より開始することを発表した。

実験概要と各社の主な役割

化学業界や紙パルプ業界など多くの製造現場では、生産方式が大量生産から多品種少量・変種変量生産へのシフトが進んでいる。それにともない、生産設備(以下、プラント)には、製品の種類・生産量・原材料などの変化に柔軟に対応できる高度な機能が求められ、その実現方法としてプラント内にある大量のデータを収集するIoT技術や、そのデータを高速・高度に解析するAI技術が注目されている。

今回、プラント制御におけるIoT/AI活用の経験を持つNTT Comは、プラントに必要な計測機器や制御システムなどを開発・製造する横河電機、およびプラント高度化ソリューションなどの提供で実績のある横河ソリューションサービスと共同で、プラント制御の高度化に向けた実証実験を行う。

この実証実験では、化学業界や紙パルプ業界をはじめとした工場で、電気・ガス・燃料などのエネルギー供給と生産稼働の連携で最大効率化を図る「生産プロセス-動力間連携制御技術」や複数の生産工程間の制御連携を最適化する「生産プロセス間連携制御技術」にIoT/AI技術を活用し、高度EMSを構築することで、工場全体の最適化を目指すとしている。

また、各社の主な役割は、横河ソリューションサービスが大規模工場をモデルとした生産制御技術の高度化、横河電機がプラントビッグテータ解析による「生産プロセス間連携最適化システム」の開発、NTT ComがIoT/AI(ディープラーニング)技術を活用した「生産プロセスデータ解析支援システム」の開発——となっている。

今後は、IoT/AIを活用したプラント制御高度化の技術確立・高度EMSの実用 化に向け、実証実験で得られた成果と課題をもとに、横河電機および横河ソリ ューションサービスが持つ製造業における豊富な経験を活かし、さらなる検証 を重ねていくとしている。また、顧客に最適な生産環境を提供できるよう、同 技術の早期商用化に向けた検討も進めていくということだ。

なお、この取り組みは、10月6日までザ・プリンス パークタワー東京にて開催されている「NTT Communications Forum 2017」、および11月29日~12月1日に東京ビッグサイトにて開催される「SCF2017/計測展2017 TOKYO」において紹介される。