JR東日本は3日、埼京線池袋~大宮間における無線式列車制御システム「ATACS(アタックス)」の使用開始について発表した。列車走行に必要な機能(列車間隔制御機能など)について、11月3日の終電後から切換工事を行い、11月4日初電から使用開始する。

埼京線池袋~大宮間で11月4日から無線式列車制御システム「ATACS」を使用開始

ATACS(Advanced Train Administration and Communications System)は「列車自らが位置を検知し」「無線を使用して地上・車上間で双方向に情報通信を行う」新たなシステム。各列車は地上装置へ無線で自らの位置を送信し、地上装置はすべての列車位置を把握した上でルートや停止位置(進行して良い限界の位置)を算出して無線で送信する。各列車は受信した情報をもとに速度照査パターンを作成し、これを超えないようにブレーキ制御を行う。従来の列車制御システムは軌道回路・地上信号機・ATSなど多くの地上設備が必要だったが、ATACSの導入で各種設備をスリム化でき、コストダウンも図られる。

JR東日本は首都圏線区に先駆けて仙石線へATACSを導入し、安定して稼動したことを受け、埼京線にもATACSを導入すると発表していた。2013年度から列車間隔制御機能などの地上工事・試験を行い、2015~2016年度に車両改造工事も実施。11月3日終電後の切換工事を経て、翌朝の初電から列車走行に必要な機能について使用開始する。なお、切換工事の予備日は11月11日終電後とされ、この場合は11月12日から使用開始となる。

同社によれば、今後は「列車走行の周辺の機能(踏切制御機能)を導入していく予定」とのこと。地上工事・試験などを行い、2019年度以降の使用開始を予定している。