エムティーアイはこのほど、「経験者の声から知る乳がん」の結果を明らかにした。同調査は9月11日~13日、20代~50代以上の1万1,418人を対象にインターネットで実施したもの。

乳がんが発覚したきっかけは何ですか?

乳がんを経験したことがあるか尋ねたところ、91人が「ある」と回答した。乳がん経験者に乳がん発覚のきっかけを尋ねたところ、「セルフチェックで違和感を覚えて自ら行った検診」(46.0%)が最も多かった。次いで「人間ドックなど自ら行っている定期検診」(15.0%)、「職場での定期検診」(11.5%)となっている。

乳がんがわかったときに最も不安・心配だったことを聞くと、「自分の余命」(57.0%)、「家族や周囲にかかる負担」(44.2%)、「仕事もしくは学業と治療の両立」(41.9%)が上位を占めた。

身近に乳がん経験者がいるか尋ねたところ、35.2%が「いる」と回答した。自身との関係は「友人・知人」(51.4%)が最も多く、「親せき」(37.0%)、「親・兄弟姉妹」(21.0%)となっている。

乳がん検診の受診状況について聞いてみたところ、「受診したことがない」と回答した人のうち、身近に経験者が「いる」と答えた人は37.7%だった。一方、「いない」と答えた人は53.1%と半数以上の人が未受診という結果となっている。身近に経験者が「いる」「いない」によって病気に対する危機感の違いがあることがわかった。

乳がん検診の受診状況

検診を受けたことがない理由を尋ねると、最も多い理由は「行きたいとは思うが、なんとなく行きそびれている」(54.6%)だった。30代から40代においては6割以上が理由としてあげている。次いで「検診自体に抵抗がある(痛そう・身体を見られたくないなど)」(33.7%)、「費用への不安」(27.2%)だった。

検診を受けたことがない理由は何ですか?

乳がんについての知識や情報はどのくらい知っているのか尋ねたところ、最も認知率の高い項目は「セルフチェックで見つけることもできる病気」(78.9%)だった。「早期であれば、9割が治癒する病気」(46.4%)も多い。しかし、「出産経験がある人は病気になるリスクが低下する」「遺伝性の乳がんは全体の5~10%」は、あまり知られていないことがわかった。

乳がんについて、知っているものを教えてください

同サイトでは、乳がんについて「現段階で異常を感じていなくても、セルフチェックを習慣化していればいち早く病気に気づけるきっかけになる」とセルフチェックの重要性を呼び掛けている。

乳がんのセルフチェック方法

セルフチェックは、月経が終わって4~5日経った頃が実施のいいタイミングとのこと。閉経後の人は毎月、日を決めて行うとよいという。

まずは両腕の力を抜いて自然に下げ、鏡で左右の乳房の大きさや形に違いがないか、へこみやひきつれがないか、乳首がへこんだりただれたりしていないかチェックする。両腕を上げた状態でも同様に調べることも大切だとしている。

次にあおむけになり、折ったタオルか枕を背中の下に入れ、左手を上にあげて頭の下に置く体勢を取る。そして右手の指を伸ばしてそろえ、左の乳房の乳首から胸の中央部に向かい、すべらせるようにしてしこりの有無をチェック。上から下までまんべんなく行うとよい。続いて、あおむけになったまま、左腕を自然な位置に下げて、乳房の外側の部分をわき側から内側に向かって指をすべらせて調べ、右乳房も同様に行う。

最後は、起き上がって右手の指を伸ばしてそろえ、左のわきの下にいれてしこり(リンパ節の腫れ)の有無を調べる。右のわきの下も同様に行い、最後に左右の乳首を軽くつまんで、血液の混じった分泌物が出ないかどうかを見ることも大切とのこと。