「『デジタル教科書』の位置付けに関する検討会議最終まとめ」(文部科学省/PDF)

文部科学省が平成28年1月に公表した「『デジタル教科書』の位置付けに関する検討会議最終まとめ」(文部科学省/PDF 45ページ)には、教育の情報化推進の流れの中、すべての生徒が読むことになる教科書のデジタル化について、教材の質の担保やアクセシビリティや現行制度との関係など多角的な検討が纏められている。"何よりも児童の学びを充実させる"ことがデジタル化の目的であることが記してある。

国立大学法人東北大学、東京書籍、ACCESS、日本マイクロソフトは29日、東京都荒川区立第三峡田小学校と荒川区立第三中学校において、「小・中学校におけるデジタル教科書 学習履歴データ収集と分析」をテーマとした実証研究を10月より開始する。

実証研究では、児童生徒がデジタル教科書を使用することで"いつ、どこでページをめくったのか"、"教科書・教材のどの部分を注視したのか"、"何を書き込んだのか"などの学習履歴データを収集分析し、生徒の継続的な指導へとフィードバックするという新たな試みを目的としている。デジタル教科書において、学習履歴を詳細に分析することで、教員からの効率的な教材の活用方法、的確なフィードバックや指導が期待できる。紙の教材だけでは、なかなか実現できない"学び"を充実させる仕組みの提供が期待される。

個別生徒への指導に活用するための学習履歴データの分析手法やレポート形式の研究、学習履歴データの蓄積を専用ビューアとクラウドを通した安全な実行、レポートや分析の自動化などが予定されており、国立大学法人東北大学は、デジタル教科書で取得すべき学習履歴データ項目についてのガイダンスや取得された学習履歴データの分析。東京書籍は、プロトタイプの教科書コンテンツのほか、学習履歴データのマッチングなどデータ分析、ACCESS社は、学習履歴データ取得機能を搭載するビューア「Lentrance Reader」(レントランス リーダー)、日本マイクロソフトは、Microsoft Azureを活用したデータ蓄積や分析などの技術支援を行う。