シャープは9月28日、自社のAIoTクラウドサービス「COCORO VISION」に対応する液晶テレビ「AQUOS 4K」5モデルを発表した。本体左右に独自構造のサイドスピーカーを搭載する「UH5」シリーズが2モデルと、本体前面下部に前向きのツィーターを備えた「US5」シリーズが3モデル。発売日は11月11日、推定市場価格は税別22万円前後から。

COCORO VISION対応の60型AQUOS 4K「LC-60UH5」

「AIoT」とは、「AI(人工知能)」と「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」を合わせた、シャープの造語。一方の「COCORO ○○○」は、シャープのAIエンジン(ココロエンジン)を用いたプロジェクトで、ユーザーの声を音声認識しながら、対応する家電製品とコミュニケーションし、パーソナライズしていくというものだ。

また同日の9月28日から、COCORO VISION対応テレビで利用できるコンテンツサービスとして、従来の「COCORO VIDEO」に加え、新たに「COCORO MUSIC」および「COCORO GAME」を開始する。加えて11月中旬には、COCORO VISIONと連携する無料のスマートフォンアプリ「COCORO VISION」の提供を開始する。

COCORO MUSICは、レコチョク Best ライトプランと提携して提供するサービスで、最新のランキングから懐かしの歌まで邦楽を中心に国内最大級の650万曲以上が視聴できる。アーティストやアルバム単位で視聴するのではなく、プロが作成した1,500以上のプレイリストから好みのリストを選び、有線放送のような感覚で聴くスタイルになる。利用料金は月額300円だ。

COCORO MUSICはプレイリストをユーザーが選んで再生する。シャープの担当者は「自分の好みに合った新しい楽曲の発見を楽しんで欲しい」という。検索機能が備わっていないのが残念

COCORO GAMEは、ブロードメディアGCと提携して提供するサービス。月額500円で遊び放題の70タイトルのゲームと、個別に購入してプレイする有名ゲームの大きく2つで構成され、有名作品には「LIGHTNING RETURNS : FINAL FANTASY XIII」や「信長の野望 創造」などのタイトルが並ぶ。プレイにはテレビリモコンやゲームパッドなどが利用可能だ。

ユーザーの好みに合ったゲームをリコメンドするほか、最近遊んだゲームやプレイ回数の多いゲームなどの履歴が残る。ゲームはクラウドベースで動作し、セーブデータなどもクラウドに保管する。ゲーム専用機を買い換えなくても最新タイトルが楽しめる

UH5シリーズ及びUS5シリーズのリモコン(左)。リモコン下部には「COCORO VISION」と「COCORO VIDEO」の専用ボタンが設けられている(右)

スマートフォンアプリ「COCORO VISION」は、文字通りクラウドサービスのCOCORO VISIONのクライアントアプリと言える。

ユーザーのテレビの視聴傾向をAIが学習して、ユーザー好みの番組をスマートフォンに「MYカード」の配信という形でオススメする。MYカードは保存しておくことができ、MYカードに保存したテレビ番組から放送時間が近い番組をスマートフォンのロック画面にお知らせする。画面のMYカードを操作することで、スマートフォンをテレビのリモコンとしても利用できる。

COCORO VISIONの画面では、COCORO VIDEOやCOCORO MUSIC、COCORO GAMEのコンテンツからのオススメも表示される。Android版が先行で11月中旬の提供となり、iOS版は開発中となっている。

スマートフォンアプリ「COCORO VISION」の利用イメージ。ファミリーとパーソナルのそれぞれの用途に対応する

UH5シリーズのハードウェアスペック

今回発表になった2シリーズ5モデル。左から50型の「LC-50US5」、55型の「LC-55US5」、60型の「LC-60US5」、60型の「LC-60UH5」、55型の「LC-55UH5」

UH5シリーズのラインナップと市場想定価格は、60型の「LC-60UH5」が400,000円前後、55型の「LC-55UH5」が340,000円前後。いずれも税別。

LC-60UH5は、地上/BS/110度CSデジタルチューナー×3基を搭載。LEDバックライトエリア駆動システムと独自の信号処理技術で高コントラストを実現する「メガコントラスト(ダイナミックレンジ拡張)」に対応。画面への映り込みを抑える独自の低反射N-Blackパネルを採用する。解像度は3,840×2,160ドット。視野角は水平/垂直176度。総合出力80W、2.1ch 3ウェイ10スピーカーシステムを搭載し、本体背面にはサブウーハーを備える。

インタフェースはHDMI入力×4、AV入力×1、ヘッドホン出力×1、PC×1、USB×2(USBメモリー用×1、USBハードディスク用×1)、LAN×1など。本体サイズと重量はW1483×D341×H846mm、重量は約37kg(どちらもスタンド含む)。

LC-55UH5は本体サイズと重量がW1359×D341×H793mm、約33.5kg(どちらもスタンド含む)で、他の仕様は共通。

UH5シリーズとUS5シリーズに搭載するスピーカーシステム。UH5に搭載の10スピーカーシステムはオンキヨーとの共同開発によるもので、画面全体から臨場感のある音声を再生できる

US5シリーズのハードウェアスペック

US5シリーズのラインナップと市場想定価格は、60型の「LC-60US5」が330,000円前後、55型の「LC-55US5」が270,000円前後、50型の「LC-50US5」が220,000円前後。いずれも税別。

US5シリーズの基本仕様は、LEDバックライトエリア駆動システムを搭載せず、音声機能が総合出力35W、サブウーハー搭載2.1ch 3ウェイ 5スピーカーシステムとなるほかは、UH5シリーズとほぼ同じとなる。

LC-60US5の本体サイズと重量はW1354×D341×H849mm、約34kg、LC-55US5の本体サイズと重量はW1231×D341×H794mm、約29kg、LC-50US5の本体サイズと重量はW1126×D271×H719mm、約22kg(いずれもスタンド含む)。