京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は9月27日、同社が提供する人工知能(AI)を用いた画像認識モデル作成サービス「Labellio」において、より高度な技術検証や商用製品・サービスに活用できる有料プランを2017年10月30日から提供することを発表した。

近年、AI関連技術であるディープラーニングを活用した画像認識の精度は、すでに人間が目視する以上の精度を達成しているが、実際に画像認識技術を活用するためには、人工知能の専門知識、高価な計算環境、ディープラーニング用ソフトウェアのノウハウなどが必要であり、専門家のいない企業が単独で取り組むにはハードルが高いという課題があった。

Labellioは、「AIをどこよりも身近に」をコンセプトに、専門知識や特別な環境がなくても、ユーザが用意した画像をアップロードするだけで簡単にディープラーニングによるオリジナルの画像認識モデルを作成できる無料のクラウド型Webサービスとして、2016年1月より提供を開始。すでに数千件規模で画像認識モデルが作成されてきたが、利用者から、サポート体制の充実や、より高精度なモデル作成のための機能拡充に関するニーズがあり、そうしたニーズに対応することを目指し、今回、有料プランを開始することを決定したという。

有料プランでは、専門家であるKCCSのAIサポートチームによるチャットでのサポートが提供されるほか、ディープラーニングの学習回数や学習アルゴリズム、学習率など各種パラメータの調整による、より高度な技術検証の提供や、作成した画像認識モデルのダウンロードによる商用製品・サービス・アプリへの組み込みなども提供されるという。

なお、有料プランには作成できるモデル数やモデル保存数に応じて月額1000円の「ライト」、3万円の「スタンダード」、15万円の「プレミアム」(いずれも税別)の3種類が用意されており、月額0円のフリープランと併せて、利用頻度を踏まえて契約することが可能となっている。

「Labellio」の利用イメージ。画像認識モデルのダウンロードは、スタンダードおよびプレミアムプランのみ利用可能